吉田都さんのインタビュー@nifty
@niftyビジネスのページに吉田都さんのインタビューが出ていた。
すでに何度もメディアに取り上げられ、語り尽くされたかに見える彼女のロイヤルバレエでの経験だが、ロイヤル来日の年でもあるし、載せておこう。
彼女の今後の出演予定も出ている。
【吉田都さんの2008年度 公演スケジュール】
■「海賊」 Kバレエカンパニー
8月1日(金)/8月2日(土) @東京 文京シビックホール
■「コッペリア」 Kバレエカンパニー
10月17日(金) @東京 Bunkamura オーチャードホール
11月1日(土) @大宮 大宮ソニックシティ 大ホール
11月8日(土) @新潟 新潟県民会館
■「くるみ割り人形」 英国ロイヤルバレエ団
12月15日(月)/12月19日(金) @英国ロイヤルオペラハウス ※海外公演
すでに何度もメディアに取り上げられ、語り尽くされたかに見える彼女のロイヤルバレエでの経験だが、ロイヤル来日の年でもあるし、載せておこう。
彼女の今後の出演予定も出ている。
【吉田都さんの2008年度 公演スケジュール】
■「海賊」 Kバレエカンパニー
8月1日(金)/8月2日(土) @東京 文京シビックホール
■「コッペリア」 Kバレエカンパニー
10月17日(金) @東京 Bunkamura オーチャードホール
11月1日(土) @大宮 大宮ソニックシティ 大ホール
11月8日(土) @新潟 新潟県民会館
■「くるみ割り人形」 英国ロイヤルバレエ団
12月15日(月)/12月19日(金) @英国ロイヤルオペラハウス ※海外公演
DVD「バレエの祭典」

バレエの祭典
ABTの公演の会場で売られていたDVDで、他の商品は全部持っていたので、珍しいと思い、これを購入した。ニーナが出場していたので販売されていたのだろう。
1981年に開かれた第4回モスクワ国際バレエ・コンクールのドキュメンタリーである。このコンクールは4年に1度開かれ、ロシア国内のみならず世界中から優れたダンサーが集まるのだが、この回は特に秀逸で、名だたるメンバーが出場している。この中で、現在も現役で活躍しているダンサーはおそらくニーナくらいのものだろうけれど、旧ソ連時代のロシアバレエ界の底力を感じさせるコンクールである。
当時、ニーナはまだジュニアで、同じくジュニアのボリショイのダンサー、アンドリエス・リエパと「眠り」を踊っているが、彼女の出演場面は必ずしも多くはない。しかし、それ以外に素晴らしいダンサーが目白押しで、語り尽くせないほどである。
まず、何と言っても圧倒的なテクニックとパワーで、グランプリを獲得したイレク・ムハメドフ。ボリショイのスターから、英国ロイヤルバレエに移籍して活躍したダンサーだが、まずガリーナ・クラピービナとの「春の祭典」では驚異的な跳躍を見せてくれる。「ドン・キホーテ」でも、回転・跳躍ともに文句のつけようのないバジルを演じている。ボリショイバレエの「精髄」シリーズのスパルタクス、ロミオ等の他、ロイヤルの「ラ・バヤデール」のソロル等に映像を多く残しているが、私が見た当時は、もうすでにかなり逞しい体型(と言っても決して太くはない、筋骨隆々タイプ)だったが、このコンクール時はスリムで長身、とてもカッコイイ。
そして、同じく「精髄」シリーズのスター、ユーリ・ヴァシュチェンコをパートナーに「黒鳥」「ソネット」で美しく踊るアラ・ハニアシヴィリ。名前から言って、ニーナと同じグルジア系のダンサーのようだが、この人の映像は「精髄」シリーズに全くないので、ボリショイで活躍したのかどうかわからないが、このコンクールの踊りは素晴らしい。
また、モスクワ音楽劇場のスター、ウラジミール・キリーロフと踊るマルガリータ・ペルクン=ベベジチの「スパルタクス」のフリギアは、深い内面性を表現しているのが素晴らしいし、海賊もよかった。キリーロフもスリムでとてもハンサムである。この人も、その後の活躍を知らないのが残念だ。
ベネズエラのヤニス・ピッケリスもクランコ版のロミジュリが美しいし、「ドン・キ」ではムハメドフとはまた違った甘いバジルである。でも、ベネズエラのダンサーでは、その後の活躍の場を見るチャンスもなかったようなのが惜しまれる。どこのバレエ団に所属していたのであろうか。
その他、フロリナ王女を踊ったABTのアマンダ・マッケロー、「コッペリア」のカナダのマルチン・ラミー、
「三文オペラ」のジジ・ハイアット、(私はこの人のノイマイヤー版「椿姫」を97年に見ている) 「エスメラルダ」を踊るナターリア・アルヒーポワ(ボリショイ「くるみ」のマーシャや「眠り」の赤頭巾ちゃん等、精髄シリーズに多く出演)、アンナ・クシネリョーワ(キエフで「眠り」のオーロラや「森の詩」のマフカを主演)とプティ版「エスメラルダ」を踊るマリインスキー(当時キーロフ)のコンスタンチン・ザクリンスキー、スミルノワ等、本当に名ダンサーの踊りが見られ、ちょっとしたガラ・コンサートのように見応えがある。
この年は、あまりの優秀さに、金賞を8名にしたほど。その頂点に立ったのがグランプリ受賞のムハメドフであるが、ニーナもジュニアながら最高点で金賞を受賞した。
その他の金賞はアラ・ハニアシヴィリ、ヤニス・ピッケリス、マルガリータ・ペルクン=ベベジチ、ジュニアではアンドリス・リエパ、アマンダ・マッケロー、ニーナ・アルヒポワ。
受賞こそなかったが、前述のように素晴らしいダンサーの映像も多い。
また、審査員もガリーナ・イワノワ、ロバート・ジョフリー、イヴェット・ショヴィレ、アリシア・アロンソ等の往年の名ダンサー揃いで、更に審査委員長はボリショイのユーリ・グリゴローヴィチが務めている。
レペシンスカヤのダンサー指導の場面もあり、税込み¥3,990は決して高くはないのでは。
ABT 「オールスター・ガラ」@びわ湖ホール 7月26日(土) 18:00〜
コレーラの降板により、こちらも変更があり、ニーナの「海賊」は「瀕死」に変わるわ、My王子@ABTベロセルコフスキーの出演はなくなるわで、ややモーチベーション下がり気味で行ったびわ湖だったが、蓋を開けてみたら、更に変更で嬉しい結果になった。とはいえ...
こちらが劇場のサイトに出ている変更のお知らせなのだが、それがさらに変わっていた。
東京の17日のガラに、さらに「海賊」「瀕死」が加わって、しかもお値段はS席が¥6,000も安いなんて。びわ湖ホールエライッ!と思ったまではよかったのだけどね...
<演目&キャスト>
*「ラ・バヤデール」:第1幕のパ・ダクシオン
ミシェル・ワイルズ、デイヴィッド・ホールバーグ(変更なし)
東京の17日と同じだった。とはいえ、連日の公演で、少しダンサーもややお疲れかな?という感じがした。ホールバーグはハンサムで上手いし、ミシェル・ワイルズも達者に踊るのだが、mmm、やはりプティパの振付がややバランシンぽく感じられるのはABTなのでしかたないのかな。相変わらずシューズの音は大きいし。しかし、ガラで「バヤデール」と言えば、普通は第3幕「影の王国」の場面だろうに、何で婚約式のパ・ダクシオンなのだろう。まぁ、それなりに派手で華やかで、女性ソリスト達の、孔雀の羽模様のブルーと紫の衣裳、ミシェルの黄色いコードレースの衣裳は美しくはあったが。一応後にコール・ドも控え、少し踊ってくれた。
が、何と言ってもひどかったのはオーケストラ。最初のメチャクチャでかいホルン(?)といい、「ラ・バヤ」の音楽になっていない。オペラハウス管弦楽団、ダメじゃん!
*「マノン」:第1幕のパ・ド・ドゥ (寝室のパ・ド・ドゥ)
ジュリー・ケント、 マルセロ・ゴメス(変更なし)
やはり東京と同じだった。そして、ジュリーは東京と同じように本当に素晴らしかった。リフトも完璧で、ガラとはいえドラマが感じられた。ゴメスはちょっとサポートに徹した感があって、彼の踊りももっと見たかった。
*「白鳥の湖」:第2幕のグラン・アダージオ (追加演目)
イリーナ・ドヴォロベンコ、マキシム・ベロセルコフスキー
最初この二人は「ドンキ」の予定、コレーラの降板によるキャスト変更後は、イリーナとコリー・スターンズの「白鳥」になり、マキシムが踊らないなんて、と思ったら、踊ってくれたのはよかったのだが、東京ではあった、バックのコール・ドがなく、二人だけのアダージオで、淋しかった。もう関西では「白鳥」はないので、白鳥の衣裳を片づけてしまったのだろうか。(笑)全幕の「白鳥」と同じ衣裳だったが、マキシム、何となくお疲れなのか、カーテン・コールでやや元気がなかったように思えた。
またまたオーケストラがひどく、ハープの音も途切れたり、もうムードぶちこわしで、すごく気持ち悪い音楽だった。こんなチャイコフスキー、酷すぎる。二人の踊りはとても美しかったのに。
*「シナトラ組曲」
ミスティ・コープランド(←ルチアナ・パリスから変更) ホセ・マヌエル・カレーニョ
”夜のストレンジャー””オール・ザ・ウェイ””マイ・ウェイ””ワン・フォー・マイ・ベビー(アンド・ワン・モア・フォー・ザ・ロード)”
何だか短いな、と思ったら東京より一曲少なかった。東京ではパリスとゴメスのペアだった。カレーニョはやはりとってもエレガントだった。が、シナトラの曲はやはり、ゴメスのようなワイルドなダンサーの方が似合うのかもしれない。最後のソロで足を滑らせていく振付のところ、カレーニョにしては珍しく、ちょっとやりにくそうで、一瞬ミスかな?と思うような時があった。でも、こういう演目はいかにもABTらしいし、カレーニョのこういう踊りも見られてよかった。
*「海賊」:第2幕のパ・ド・ドゥ
ジリアン・マーフィー、ゲンナジー・サヴェリエフ(←ニーナ&コレーラから変更)
第2幕のパ・ド・ドゥと言えば、メドーラとアリのに決まっていると思っていたら、なんと、こっちも「寝室(洞窟)のパ・ド・ドゥ」(メドーラ&コンラッド)だった。確かに、すごいフィッシュ・ダイヴや、最後マーフィーを逆さに抱えるなど、サポートの難しいリフトの連続技はあったが、やや地味な感じは否めない。せっかくのサヴェリエフなら、むしろ1幕の「奴隷のパ・ド・ドゥ」だったら彼の超絶技巧が見られてよかったのに。明日の大阪でやるから、今日は控えたのかしら。ニーナ&コレーラだったらきっとメドーラ&アリの踊りだったんだろうな〜
*「瀕死の白鳥」 (追加演目)
ニーナ・アナニアシヴィリ
パートナーのコレーラが出られなくなったので、一人で瀕死。カレーニョならアリの代役もできただろうに。ニーナの「瀕死」は、実は初めて見た。とはいえ、2004年のニーナガラと、昨年のグルジアバレエの「白鳥の湖」の最後は「瀕死」の振りで登場するので、あの腕の動きは見ているし、ABTの「白鳥」でも、王子と出会ってすぐの退場場面では同じように腕を振っている。わずか4分の短い演目だが、最後で片足を前に伸ばし、反対の膝をついたポーズのまま、グルッと半回転して、首を垂れて終わったので驚いた。とてもドラマティックな白鳥だった。カーテン・コールが3度もあり、素晴らしい踊りにブラボーの嵐で、最後のコールの時は腕を振り身体を小刻みに震わす白鳥のポーズで登場してくれた。やはり彼女は素晴らしい。私にとってはABT最高のダンサーだ。
*「ドン・キホーテ」
シオマラ・レイエス、エルマン・コルネホ(←イリーナ&マキシムから変更)
二人とも、前回来日の時の「ドンキ」と同じ白に赤いラインの入った衣裳。レイエスは小柄な感じだが、キビキビした動きで、フェッテの時腕を交互に上下させるので赤い扇が目立つ。コルネホはさすがの超絶技巧、ABTの熊川哲也、という感じ。ジャンプは高いし、回転も長い。会場は大いに湧いた。やはり関西では、フェッテの時の手拍子はお約束なのかな〜 普段は眉をひそめる私だけど、レイエスはそれに合わせてリズムをくずすこともなかったので、まぁよしとしようか。ただ、最後の回転では32回回らず、28回くらいになってしまったのがやや残念。
私の後にブラボーおじさんがいて、ニーナの出演のあたりから盛んに「ブラボー」を跳ばし始めた。「ラ」の音が妙に硬いと思ったら、外国の人だった。
(休憩25分)
*ラビット&ローグ
ローグ(ならず者): イーサン・スティーフェル
ラビット(紳士): サーシャ・ラデツキー
ラグ・カップル: クリスティ・ブーン、コリー・スターンズ
ガムラン・カップル: パロマ・ヘレーラ、ゲンナジー・サヴェリエフ
他
ジリアン・マーフィーの出演がなくなったせいか、客席のど真ん中に、ケビン・マッケンジーと並んでマーフィーが座っていた。周りの人がサインをもらっていた。
東京で見た時は、なぜか睡魔に襲われてしまった演目だが、今回じっくり見られて、結構おもしろかった。笑いを誘うような振付もあり、とっても楽しめた。ラデツキーは両肩にタトゥーをしていたので、彼の方がならず者に見えてしまった。
ソリストもコール・ドも、まぁ全員がよく動くこと、踊りまくりで、すごいスタミナだな、と思った。スティ−フェルとラデツキーは喧嘩踊りという感じで、お互いに牽制しあい、カーテンコールまで、ラデツキーが後ろ向きにステップを決めて出てくると、スティーフェルはゴロゴロ転がりながら出てくる、という風に最後まで競い合っていた。ラグ・カップルのコリー・スターンズは、背も高く、コール・ドながらなかなかいい踊りをしていた。変更されたとはいえ、一時、イリーナのパートナーとしてキャスト表に載っていたくらいだから、実力があるのだろう。今後の成長が楽しみなダンサーだ。
ガムラン・カップルの衣裳は、白いせいか、ドレープのせいか、ダンサーが太って見えてしまう。男性の衣裳もやや垢抜けない感じがした。他のダンサーは、黒や銀、トウシューズも銀で、ワンピース水着タイプあり、セパレートタイプあり、ホルターネックあり、と、モノクロだが工夫が見られる。
また、照明がおもしろく、黒いダンサーの時はいくつも小さく上から下へ照らす照明、白いダンサーの時は、横から照らす照明となっていて、なかなか興味深かった。
この演目の音楽は結構よかった。ガムランぽい音楽はテープなのだろうか?それにオーケストラをかぶせて、とても音響が深くて素晴らしかった。前半は一体何だったの?
そういえば、大阪のロイヤル・ガラでも、いわゆるガラ演目の前半の音楽はかなりひどかったが、「オマージュ・トゥー・ザ・クィーン」になったら急によくなって、それだけ特別に練習して他の演目は手を抜いたように思えたのだが、それと似ている感じがした。
補足だが、開演前ホールのラウンジで、コルパコワ先生発見。お茶を飲みながら、ABTのスタッフらしき男性2名と盛んに話をしておられた。(と言っても、熱っぽく語っていたのは男性1名の方だが。もちろん英語で)まだまだお元気でご活躍中のようであった。そういえば、前々回見たABTに比べたら、今回の舞台結構ロシア的な演目はそれらしい踊りになってるな〜と感じたのは、コルパコワ先生の薫陶の賜物なのだろうか、とふと感心してしまった。
こちらが劇場のサイトに出ている変更のお知らせなのだが、それがさらに変わっていた。
東京の17日のガラに、さらに「海賊」「瀕死」が加わって、しかもお値段はS席が¥6,000も安いなんて。びわ湖ホールエライッ!と思ったまではよかったのだけどね...
<演目&キャスト>
*「ラ・バヤデール」:第1幕のパ・ダクシオン
ミシェル・ワイルズ、デイヴィッド・ホールバーグ(変更なし)
東京の17日と同じだった。とはいえ、連日の公演で、少しダンサーもややお疲れかな?という感じがした。ホールバーグはハンサムで上手いし、ミシェル・ワイルズも達者に踊るのだが、mmm、やはりプティパの振付がややバランシンぽく感じられるのはABTなのでしかたないのかな。相変わらずシューズの音は大きいし。しかし、ガラで「バヤデール」と言えば、普通は第3幕「影の王国」の場面だろうに、何で婚約式のパ・ダクシオンなのだろう。まぁ、それなりに派手で華やかで、女性ソリスト達の、孔雀の羽模様のブルーと紫の衣裳、ミシェルの黄色いコードレースの衣裳は美しくはあったが。一応後にコール・ドも控え、少し踊ってくれた。
が、何と言ってもひどかったのはオーケストラ。最初のメチャクチャでかいホルン(?)といい、「ラ・バヤ」の音楽になっていない。オペラハウス管弦楽団、ダメじゃん!
*「マノン」:第1幕のパ・ド・ドゥ (寝室のパ・ド・ドゥ)
ジュリー・ケント、 マルセロ・ゴメス(変更なし)
やはり東京と同じだった。そして、ジュリーは東京と同じように本当に素晴らしかった。リフトも完璧で、ガラとはいえドラマが感じられた。ゴメスはちょっとサポートに徹した感があって、彼の踊りももっと見たかった。
*「白鳥の湖」:第2幕のグラン・アダージオ (追加演目)
イリーナ・ドヴォロベンコ、マキシム・ベロセルコフスキー
最初この二人は「ドンキ」の予定、コレーラの降板によるキャスト変更後は、イリーナとコリー・スターンズの「白鳥」になり、マキシムが踊らないなんて、と思ったら、踊ってくれたのはよかったのだが、東京ではあった、バックのコール・ドがなく、二人だけのアダージオで、淋しかった。もう関西では「白鳥」はないので、白鳥の衣裳を片づけてしまったのだろうか。(笑)全幕の「白鳥」と同じ衣裳だったが、マキシム、何となくお疲れなのか、カーテン・コールでやや元気がなかったように思えた。
またまたオーケストラがひどく、ハープの音も途切れたり、もうムードぶちこわしで、すごく気持ち悪い音楽だった。こんなチャイコフスキー、酷すぎる。二人の踊りはとても美しかったのに。
*「シナトラ組曲」
ミスティ・コープランド(←ルチアナ・パリスから変更) ホセ・マヌエル・カレーニョ
”夜のストレンジャー””オール・ザ・ウェイ””マイ・ウェイ””ワン・フォー・マイ・ベビー(アンド・ワン・モア・フォー・ザ・ロード)”
何だか短いな、と思ったら東京より一曲少なかった。東京ではパリスとゴメスのペアだった。カレーニョはやはりとってもエレガントだった。が、シナトラの曲はやはり、ゴメスのようなワイルドなダンサーの方が似合うのかもしれない。最後のソロで足を滑らせていく振付のところ、カレーニョにしては珍しく、ちょっとやりにくそうで、一瞬ミスかな?と思うような時があった。でも、こういう演目はいかにもABTらしいし、カレーニョのこういう踊りも見られてよかった。
*「海賊」:第2幕のパ・ド・ドゥ
ジリアン・マーフィー、ゲンナジー・サヴェリエフ(←ニーナ&コレーラから変更)
第2幕のパ・ド・ドゥと言えば、メドーラとアリのに決まっていると思っていたら、なんと、こっちも「寝室(洞窟)のパ・ド・ドゥ」(メドーラ&コンラッド)だった。確かに、すごいフィッシュ・ダイヴや、最後マーフィーを逆さに抱えるなど、サポートの難しいリフトの連続技はあったが、やや地味な感じは否めない。せっかくのサヴェリエフなら、むしろ1幕の「奴隷のパ・ド・ドゥ」だったら彼の超絶技巧が見られてよかったのに。明日の大阪でやるから、今日は控えたのかしら。ニーナ&コレーラだったらきっとメドーラ&アリの踊りだったんだろうな〜
*「瀕死の白鳥」 (追加演目)
ニーナ・アナニアシヴィリ
パートナーのコレーラが出られなくなったので、一人で瀕死。カレーニョならアリの代役もできただろうに。ニーナの「瀕死」は、実は初めて見た。とはいえ、2004年のニーナガラと、昨年のグルジアバレエの「白鳥の湖」の最後は「瀕死」の振りで登場するので、あの腕の動きは見ているし、ABTの「白鳥」でも、王子と出会ってすぐの退場場面では同じように腕を振っている。わずか4分の短い演目だが、最後で片足を前に伸ばし、反対の膝をついたポーズのまま、グルッと半回転して、首を垂れて終わったので驚いた。とてもドラマティックな白鳥だった。カーテン・コールが3度もあり、素晴らしい踊りにブラボーの嵐で、最後のコールの時は腕を振り身体を小刻みに震わす白鳥のポーズで登場してくれた。やはり彼女は素晴らしい。私にとってはABT最高のダンサーだ。
*「ドン・キホーテ」
シオマラ・レイエス、エルマン・コルネホ(←イリーナ&マキシムから変更)
二人とも、前回来日の時の「ドンキ」と同じ白に赤いラインの入った衣裳。レイエスは小柄な感じだが、キビキビした動きで、フェッテの時腕を交互に上下させるので赤い扇が目立つ。コルネホはさすがの超絶技巧、ABTの熊川哲也、という感じ。ジャンプは高いし、回転も長い。会場は大いに湧いた。やはり関西では、フェッテの時の手拍子はお約束なのかな〜 普段は眉をひそめる私だけど、レイエスはそれに合わせてリズムをくずすこともなかったので、まぁよしとしようか。ただ、最後の回転では32回回らず、28回くらいになってしまったのがやや残念。
私の後にブラボーおじさんがいて、ニーナの出演のあたりから盛んに「ブラボー」を跳ばし始めた。「ラ」の音が妙に硬いと思ったら、外国の人だった。
(休憩25分)
*ラビット&ローグ
ローグ(ならず者): イーサン・スティーフェル
ラビット(紳士): サーシャ・ラデツキー
ラグ・カップル: クリスティ・ブーン、コリー・スターンズ
ガムラン・カップル: パロマ・ヘレーラ、ゲンナジー・サヴェリエフ
他
ジリアン・マーフィーの出演がなくなったせいか、客席のど真ん中に、ケビン・マッケンジーと並んでマーフィーが座っていた。周りの人がサインをもらっていた。
東京で見た時は、なぜか睡魔に襲われてしまった演目だが、今回じっくり見られて、結構おもしろかった。笑いを誘うような振付もあり、とっても楽しめた。ラデツキーは両肩にタトゥーをしていたので、彼の方がならず者に見えてしまった。
ソリストもコール・ドも、まぁ全員がよく動くこと、踊りまくりで、すごいスタミナだな、と思った。スティ−フェルとラデツキーは喧嘩踊りという感じで、お互いに牽制しあい、カーテンコールまで、ラデツキーが後ろ向きにステップを決めて出てくると、スティーフェルはゴロゴロ転がりながら出てくる、という風に最後まで競い合っていた。ラグ・カップルのコリー・スターンズは、背も高く、コール・ドながらなかなかいい踊りをしていた。変更されたとはいえ、一時、イリーナのパートナーとしてキャスト表に載っていたくらいだから、実力があるのだろう。今後の成長が楽しみなダンサーだ。
ガムラン・カップルの衣裳は、白いせいか、ドレープのせいか、ダンサーが太って見えてしまう。男性の衣裳もやや垢抜けない感じがした。他のダンサーは、黒や銀、トウシューズも銀で、ワンピース水着タイプあり、セパレートタイプあり、ホルターネックあり、と、モノクロだが工夫が見られる。
また、照明がおもしろく、黒いダンサーの時はいくつも小さく上から下へ照らす照明、白いダンサーの時は、横から照らす照明となっていて、なかなか興味深かった。
この演目の音楽は結構よかった。ガムランぽい音楽はテープなのだろうか?それにオーケストラをかぶせて、とても音響が深くて素晴らしかった。前半は一体何だったの?
そういえば、大阪のロイヤル・ガラでも、いわゆるガラ演目の前半の音楽はかなりひどかったが、「オマージュ・トゥー・ザ・クィーン」になったら急によくなって、それだけ特別に練習して他の演目は手を抜いたように思えたのだが、それと似ている感じがした。
補足だが、開演前ホールのラウンジで、コルパコワ先生発見。お茶を飲みながら、ABTのスタッフらしき男性2名と盛んに話をしておられた。(と言っても、熱っぽく語っていたのは男性1名の方だが。もちろん英語で)まだまだお元気でご活躍中のようであった。そういえば、前々回見たABTに比べたら、今回の舞台結構ロシア的な演目はそれらしい踊りになってるな〜と感じたのは、コルパコワ先生の薫陶の賜物なのだろうか、とふと感心してしまった。
ニーナ@ドンキ最高!永遠のキトリ---ABTオールスター・ガラ
ロイヤル4回も見たのに、レポ書きかけばかりで焦っている間にABTが始まってしまった。
コレーラの怪我で、またしてもキャスト変更の嵐。こちら
3時間かけて帰って来てから書くのは大変なので、最近ちっとも完成していないのだが、これだけは書きたかった。
ニーナ&コレーラから変更したカレーニョの「ドンキ」、まずニーナの衣裳が15年前のガラの時と同じだったことで、あの頃を思い出してうるうるきてしまった。彼女がキトリを踊る時に最も似合うと個人的に思っている、胴体部分が黒のベルベットで赤いスカートの上に星のように、或いは花びらのように黒いレースが付いた私の好きな衣裳で(グルジアバレエの時の衣裳はあんまり好みではない)、髪飾りと扇子は違っていたが、初めてガラで彼女の「ドンキ」を見た時の思い出が蘇ってきた。
この衣裳である。↓袖に黒いひらひらレースがついていたけど、付け足したかな。

ニーナって、本当に顔が小さい。そして脚の長いこと。今でもとっても可愛らしいが、彼女を初めて見てから、あのキトリが私の基準となってしまい、扇子を持たないキトリなんて考えられない。
フェッテは、若い時ほどのキレはないとはいえ、腰に両手を当てて8回転、片手を挙げて8回転、両手を挙げて16回転というパターンは往年と同じ。もう全幕を踊らないというのが信じられないほどだった。
アダージオのフィッシュ・ダイブも素晴らしかったが、コーダの最後もパートナーに後から飛び込んで、ハラハラするほどの、まさにダイブを見せてくれ、本当に45才?と驚いてしまったほどだ。
パートナーに関しては、最初に見た時も、ファジェーチェフの方はロクに見ていなかったので(笑)、コレーラからカレーニョに変わってもあまり問題ないくらい。そりゃ、コレーラとだったらもっとスリリングなドンキだったかもしれないが。カレーニョは相変わらずノーブルなダンサーではあった。衣裳の色がクリアでないので、ニーナとちょっと合わないのが残念。でも上に書いたように、最後のダイブもガッシリ受けとめ、彼の辞書にはミスなんて言葉はないんだろうな〜と思ってしまう。
今回のガラに関して書きたいことは色々あるのだが、とにかくこれだけでも見に行ってよかったと思った。やっぱりニーナは最高。
他の演目に関してはまた次回。
びわ湖ホールの方もキャスト変更のお知らせが出ている。こちら
シナトラ組曲をカレーニョで見られるのが嬉しい。ニーナの「瀕死」も見られるし。
プログラムの後に次回(来年以降)公演の予定がもう出ている。
それによると、
*マリインスキーバレエ
2009年11月
「白鳥の湖」 「眠れる森の美女」
先日見たロイヤルの「眠り」も素晴らしかったが、私にとってはここの「眠り」がデフォルトなので、また来てくれるのは嬉しい。
*グルジアバレエ
2010年2月
「ロミオとジュリエット」
ニーナのジュリエットが見られる〜!
コレーラの怪我で、またしてもキャスト変更の嵐。こちら
3時間かけて帰って来てから書くのは大変なので、最近ちっとも完成していないのだが、これだけは書きたかった。
ニーナ&コレーラから変更したカレーニョの「ドンキ」、まずニーナの衣裳が15年前のガラの時と同じだったことで、あの頃を思い出してうるうるきてしまった。彼女がキトリを踊る時に最も似合うと個人的に思っている、胴体部分が黒のベルベットで赤いスカートの上に星のように、或いは花びらのように黒いレースが付いた私の好きな衣裳で(グルジアバレエの時の衣裳はあんまり好みではない)、髪飾りと扇子は違っていたが、初めてガラで彼女の「ドンキ」を見た時の思い出が蘇ってきた。
この衣裳である。↓袖に黒いひらひらレースがついていたけど、付け足したかな。

ニーナって、本当に顔が小さい。そして脚の長いこと。今でもとっても可愛らしいが、彼女を初めて見てから、あのキトリが私の基準となってしまい、扇子を持たないキトリなんて考えられない。
フェッテは、若い時ほどのキレはないとはいえ、腰に両手を当てて8回転、片手を挙げて8回転、両手を挙げて16回転というパターンは往年と同じ。もう全幕を踊らないというのが信じられないほどだった。
アダージオのフィッシュ・ダイブも素晴らしかったが、コーダの最後もパートナーに後から飛び込んで、ハラハラするほどの、まさにダイブを見せてくれ、本当に45才?と驚いてしまったほどだ。
パートナーに関しては、最初に見た時も、ファジェーチェフの方はロクに見ていなかったので(笑)、コレーラからカレーニョに変わってもあまり問題ないくらい。そりゃ、コレーラとだったらもっとスリリングなドンキだったかもしれないが。カレーニョは相変わらずノーブルなダンサーではあった。衣裳の色がクリアでないので、ニーナとちょっと合わないのが残念。でも上に書いたように、最後のダイブもガッシリ受けとめ、彼の辞書にはミスなんて言葉はないんだろうな〜と思ってしまう。
今回のガラに関して書きたいことは色々あるのだが、とにかくこれだけでも見に行ってよかったと思った。やっぱりニーナは最高。
他の演目に関してはまた次回。
びわ湖ホールの方もキャスト変更のお知らせが出ている。こちら
シナトラ組曲をカレーニョで見られるのが嬉しい。ニーナの「瀕死」も見られるし。
プログラムの後に次回(来年以降)公演の予定がもう出ている。
それによると、
*マリインスキーバレエ
2009年11月
「白鳥の湖」 「眠れる森の美女」
先日見たロイヤルの「眠り」も素晴らしかったが、私にとってはここの「眠り」がデフォルトなので、また来てくれるのは嬉しい。
*グルジアバレエ
2010年2月
「ロミオとジュリエット」
ニーナのジュリエットが見られる〜!
ボリショイバレエ キャスト変更など
ジャパン・アーツのサイトにボリショイバレエのキャスト変更がアップされている。
フィーリンについてはやはり、ダンチェンコの芸術監督に就任と言うことで、ボリショイを去るため、「白鳥の湖」「ドンキ」とも変更になっているが一つでも多くの公演に出演したいという希望で、「明るい小川」だけは東京2公演とも出演してくれる予定だそうで、フィーリンのファン(でなくても)には嬉しいニュースだ。
びわ湖ホールの「明るい小川」にも出演してくれるのだろうか?
以下、コピペです。マトヴィエンコがまたも大活躍かな?
ベロゴロフツェフ のロットバルトも嬉しいな。
とはいえ、これ以上絶対変更がないとは言えないけどね。まだ5ヶ月も先だし。
【ソリスト出演予定日変更】
≪ドン・キホーテ≫
12月3日(水)18:30
セルゲイ・フィーリン → デニス・マトヴィエンコ
≪白鳥の湖≫
12月6日(土)18:00
セルゲイ・フィーリン → アルテム・シュピレフスキー
≪明るい小川≫
12月10日(水)19:00
エカテリーナ・クリサノワ → ニーナ・カプツォーワ
アンドレイ・メルクーリエフ → デニス・マトヴィエンコ
ヤン・ゴドフスキー → セルゲイ・フィーリン
【追加出演者】
≪白鳥の湖≫ ロットバルト役
12月6日(土)12:00 ユーリー・バラーノフ
12月6日(土)18:00 ドミートリー・ベロゴロフツェフ
12月7日(日)12:00 ユーリー・バラーノフ
フィーリンについてはやはり、ダンチェンコの芸術監督に就任と言うことで、ボリショイを去るため、「白鳥の湖」「ドンキ」とも変更になっているが一つでも多くの公演に出演したいという希望で、「明るい小川」だけは東京2公演とも出演してくれる予定だそうで、フィーリンのファン(でなくても)には嬉しいニュースだ。
びわ湖ホールの「明るい小川」にも出演してくれるのだろうか?
以下、コピペです。マトヴィエンコがまたも大活躍かな?
ベロゴロフツェフ のロットバルトも嬉しいな。
とはいえ、これ以上絶対変更がないとは言えないけどね。まだ5ヶ月も先だし。
【ソリスト出演予定日変更】
≪ドン・キホーテ≫
12月3日(水)18:30
セルゲイ・フィーリン → デニス・マトヴィエンコ
≪白鳥の湖≫
12月6日(土)18:00
セルゲイ・フィーリン → アルテム・シュピレフスキー
≪明るい小川≫
12月10日(水)19:00
エカテリーナ・クリサノワ → ニーナ・カプツォーワ
アンドレイ・メルクーリエフ → デニス・マトヴィエンコ
ヤン・ゴドフスキー → セルゲイ・フィーリン
【追加出演者】
≪白鳥の湖≫ ロットバルト役
12月6日(土)12:00 ユーリー・バラーノフ
12月6日(土)18:00 ドミートリー・ベロゴロフツェフ
12月7日(日)12:00 ユーリー・バラーノフ
ルジマトフのすべて 2008
7月2日・3日 19:00〜 新宿文化センター
下に書いた通り、なかなか演目が発表されず気を揉ませた公演だったが、直前のドムラチョワの怪我による演目変更など、やむをえない事情があったのだろう。プログラムには6月15日現在の演目が載っており、ドムラチョワ&イシュクの「ドン・キ」から、イシュクだけの演目「ゴパック」に変わったのを補うために「メディア」と「阿修羅」が急遽付け加えられたらしく、この二つは載っておらず、補足のプリントが付いていた。
第1部
☆「海賊」よりパ・ド・ドゥ ヴィクトリア・クテポワ マイレン・トレウバエフ
音楽:R・ドリゴ 振付:M・プティパ、V・チャブキアーニ
マイレンは新国の舞台ではお馴染みのダンサーで結構人気があるのだが、いつもゲストダンサーの日ばかり見ているためか、私にはいまひとつ印象の薄いダンサーだった。(マイレン、ごめん)
今回は、ファルフの得意演目「海賊」で、相手役がクテポワとは、やりにくいのではないかな〜と思ったが、そんな心配は無用だったようだ。衣装も上半身裸にエメラルドグリーンのパンツ、ベルト部分は白とシルバーに赤のラインストーンと、ファルフのとは全く違い、振付も大分違っていて、ファルフの幻影を全く見ずにすんだ。長身のクテポワと踊るのはやりにくそうにも見えたが、さわやかで超絶の強靱なアリだった。
思えば、「海賊」のアリは、こういったタイプ(カレーニョしかり、コレーラも、マリインスキーのサラファーノフでさえ)が普通で、むしろファルフのような美しい(美し過ぎる)アリというのはまず他には絶対と言っていいほど存在しない。あれは彼だけのものなのだ。そして、もはや生で見ることはかなわない、永遠に封印されてしまったのだなぁと、終わって大分たってからしみじみ思い複雑な気持ちになった。これからはもう少しマイレンを意識して見ようと思う。それにしても、新国では「海賊」はやっていないよね?彼が踊れるのだからレパートリーに加えたらいいのに、というような気もする。
クテポワは2度目だが、昨年ほどは緊張していなかったと思うが、初日は、フェッテの最後でぐらついていた。ユマ・サーマン似の美女で、細身の長身で首や手足が長い。ただ、普通だったらこうしたガラで踊るレベルには達していない。もう少しテクニックが向上すればいいダンサーになるかもしれないが、マリインスキーはダンサーの層が厚いのだなぁ、と思う。マハリナやオブラスツォーワが踊るのを見たら、ソリストとコール・ドの差は歴然というところか。
☆「ゾルバ」 イルギス・ガリムーリン
音楽:ギリシア民族音楽 振付:N・アンドローソフ
どこかで聞いたようなギリシア民族音楽をバックに、ステージを所狭しとダイナミックに踊ってくれた。
振付のアンドローソフは、モイセーエフ・バレエの出身で、ガリムーリンの友人。友人の依頼で、ギリシアのヒーローを題材にしたこの作品を振付けたそうだ。ガリムーリンは、ガラなどで90年代からお馴染みのダンサーだが、もともとガッシリしていたが、いつのまにかしっかり貫禄がついてしまったなあ。昨年2月に名古屋で久しぶりに見て、ものすごく驚いたので今回はさほどショックではなかったが。(笑)
☆「メディア」 ロサリオ・カストロ・ロメロ リカルド・カストロ・ロメロ ジェシカ・ロドリグエズ・モリナ エーサー・ゴンザレス−タブラス・メネンデス ホセ・カストロ・ロメロ ホセ・トレス・ムレーロ
音楽:M・サンスラ 振付:R・C・ロメロ
お馴染み「王女メディア」の物語をリカルドが振付たもの。ストールを両手で高く掲げ、下手から登場するロサリオの存在感は相変わらず強烈で、狂気の王女メディアにぴったりかな、と思ったものの、この場面は、「メディアの夫イアソンとコリントス王クレオンの娘の結婚式で、恋人達の喜びとエクスタシーに、その場面を傍観するメディアの怒りと嫉妬の感情が混ざり合う様子を音楽とダンスで表現している」と解説にはあるが、う〜ん、どれがイアソンやら娘やら、はたまたクレオンなのかよくわからず、私にはただのフラメンコにしか見えなかった。ロサリオのピンクのラメ入りドレスが美しかった印象だけ。
☆「ゴパック」 ヴィクトル・イシュク
音楽:V・ソロヴィヨフ=セドイ 振付:R・ザハロフ
ガラのお馴染みの演目。白い上着に赤いパンツが眩しい。よくあるような広がったタイプのパンツではなく、やや細身なのが、小柄なイシュクには合っているようだ。超絶技巧を要する演目で、イシュクは最後の手をつかない横とんぼ返りなど素晴らしいテクニックを見せてくれたが、短くてあっという間に終わってしまった。2005年来日時の「くるみ」では素敵な王子様ぶりを見せてくれたのに、昨年はけがで大きな役は踊っていなかった。このガラの素晴らしい舞台を見る限り、怪我からは完全に回復したようだ。もともと、ハンサムな顔立ちで、ドムラチョワとのグラン・パ・ド・ドゥはさぞ素敵だろうと期待していたので、「ドン・キ」が見られなかったのはとても残念だった。もう少し早かったら代役も立てられたかもしれないのに。また近いうちに是非来日してほしいものだ。
☆「シエスタ〜Siesta〜」 ユリア・マハリナ
音楽:G・カサド 振付:V・ロマノフスキー
今回はブルーのシンプルなロングドレスが美しい。世界初演の作品。「カルメン」に合わせて、スペイン風で来たか?マハリナさん。もちろんよく知られたスペイン語で「午睡」の意だが、振付家は「『人が自分自身と向き合う時間』ととらえ、そのなかで孤独な女性の叶えられない望み〜成就しない恋を描いている」そうだ。ふ〜ん、そうなんですか。彼女らしく、ロマンティックかつドラマティックな踊りではあった。最後に横たわるところはまさに「シエスタ」かな、と思ったが、ピクッと膝を立て顎を上げるところは女性の憧れや失望を表しているのだろうか? まぁ、ロシアの振付家だし。音楽はスペインだったが。とにかく、マハリナはエレガントで美しかった。
☆「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」 エヴゲーニヤ・オブラスツォーワ イーゴリ・コルプ
音楽: P・チャイコフスキー 振付: G・バランシン
バランシン作品では、というより、ガラ公演でよく見る演目のうちで最も好きなものの一つ。
ただ、女性ダンサーに関しては、2003年の「美神」でのヴィシニョーワ以上のものをいまだに見たことがないので、結構好きなオブラスツォーワといえど、分が悪いのであった。でも、スピード感溢れる動きの中にも彼女らしい柔らかさがあり、これはこれでなかなか良かったと思う。昨年のロシア2大バレエ団ガラのよりはずっと好みだった。
コルプは、初日は何だか彼らしさが感じられず、お疲れ?と思ったが、2日目はよかったと思う。
ただ、最近妖しい雰囲気の演目が多かったので、あまりにもノーブルな踊りを見るとかえって違和感があるのだろうか、何となくコルプらしくないような、本人も何となく踊りにくそうに見えたのは気のせいだろうか。テクニックは申し分ないのだけれど、オブラスツォーワとは、いとも不思議な組合せだ。それにしても、あの時ヴィシと踊っていたのは彼だったのに、全く記憶にない。恐るべし、ヴィシ。できるものならもう一度見たいものだわ。
☆「阿修羅」 ファルフ・ルジマトフ
音楽: 藤舎名生 振付: 岩田守弘
昨年に続き2度目なので、また見られて嬉しい。実は前回は、「ボレロ」よりこっちの方が好みだったのだ。ただ、当初の予定になかったせいか、前回の白いいかにも「仏教の世界」な衣装と違って、赤いパンツだったので、印象がやや違う。前背景にあった「阿修羅」の文字はなく、青いバックに赤いパンツが浮かび上がる。照明が暗いので、彼の深い眼窩が黒く、骨格が感じられ、幽玄な雰囲気というよりも、鬼気迫る感じがする。
いつも思うのだけれど、リズムのあるダンスではなく、こういう能のような静的な振付を覚えるのは本当に大変なんだろうな。一度覚えてしまえばもう身体に染み付いているのだろうか。さすがプロのダンサーなんて感心したりする。でも微妙に違っていたかもしれない。最後にバックに「阿修羅」の文字が浮かび上がり、昨年より、この演出の方が良いと思った。
第2部
「カルメン」
ド ン ・ ホ セ : ファルフ・ルジマトフ
カ ル メ ン : ロサリオ・カストロ・ロメロ
エスカミーリョ : リカルド・カストロ・ロメロ
ミ カ エ ラ : ユリア・マハリナ
死 : ホセ・カストロ・ロメロ
クラシック・ダンサー: ヴィクトリア・クテポワ イルギス・ガリムーリン マイレン・トレウバエフ
スパニッシュ・ダンサー : ジェシカ・ロドリグエズ・モリナ エーサー・ゴンザレス−タブラス・メネンデス ホセ・トレス・ムレーロ
音楽: G.ビゼー 振付: R.C.ロメロ
真っ暗な中、まず真っ赤なドレスのカルメンが照明に浮かび上がり、椅子にかけたままセクシーに踊る。音楽はオペラの「カルメン」と同じものが使われているが、時折フラメンコ調の曲も流れていた。
下手にバーが置かれ、クラシック・ダンサー達がバーレッスンをしている。上手ではスパニッシュ・ダンサー達の踊り。これが交互に照らし出され、クラシックとフラメンコのコラボのような設定なのか、そういう舞台のリハーサルのような雰囲気になっている。
ダンサー達が練習を終えかけた頃に、下手よりカルメン登場。ドレスの裾を持ち、セクシーに踊る。その様子に、ホセは心を惹かれたようだ。バレエシューズを(フラメンコ用の?)黒い靴に履き替えたホセがゆっくり彼女に近づいていく。カルメンも自分の魅力を知り尽くした女の妖しさを振りまいて彼を誘惑する。この辺はやっぱりドキドキしてしまう。ロサリオは本当にセクシーで、バレリーナ達と違い、豊満な魅力がある。ファルフも、スリムな身体に黒の衣裳が似合って、本当にセクシーな二人だ。
舞台を片づけて、ステージの準備が始まる。衣裳掛けのバーから、各ダンサー達が自分の衣裳を取っていく。(この辺、ちょっと、グルジアバレエの「白鳥」を思い出したりする) エスカミーリオは白い上下を掴み、ホセを牽制する。
男達が低いテーブルをいくつも並べ、女達はその周りに黒に金の刺繍のついたストールをかけた椅子を並べる。4人ともステージ衣裳に着替えているが、そのドレスがとても素敵だった。スペインの二人はオレンジ色に青や赤の混じったドレスに、オレンジのスペイン風の大きな髪飾り(ちょっとプラスチックぽいのが気にはなるが)、クテポワは紫系、マハリナは深い青緑と黒で、放射状の刺繍が美しかった。4人ともデザインは少しずつ違うが、糸状の飾りが印象的で素敵。
カルメンがテーブルの上で踊り、男性二人に横から支えられて降りる様子は女王様然としている。
エスカミーリオが白い衣裳に、白の大きなマントを翻して踊る。カルメンの赤、エスカミーリオの白、ホセの黒が対照的だ。だが、リカルドには悪いけれど、彼のエスカミーリオにはカルメンが惹かれる理由が感じられない。兄妹というだけでなく、色男のエスカミーリオを演じるにはやや説得力がない。彼のフラメンコのステップはスゴイとは思うが。
ミカエラを演じたマハリナはやはりよかった。でも彼女に悪いと思うものの、カルメンへの激しい愛を踊るホセは本当に素敵過ぎてどうしようもない。
時折、「死」を表す仮面の男が登場し、カルメンを威嚇する。でも彼女はそんな自分の運命を知り尽くしているかのように堂々としている。
最後は、オペラと同じように、闘牛場の外でホセがカルメンを刺すのだが、ホセ=ファルフの何と悩ましく美しいことか。彼女の腕を胸につけるところ、彼女の顔を両手で包むように抱くところ、憎い、でも愛しくてたまらない女、男を惹きつけてやまないファム・ファタールに翻弄され、殺してもなお愛さずにはいられない男の悲しみが伝わってくる。
「カルメン」はオペラはもちろん、スペイン国立バレエ団のフラメンコによる「カルメン」や、熊川哲也のプティ版「カルメン」など、色々見ているが、これほどホセの悲しみがひしひしと迫ってくる舞台は他に知らない。やはりファルフの圧倒的な表現力、その美しさに勝るものはないと(ファンだからよけいに)思う。
ただ、やはりこれで1時間は長いな〜と思う。正直言って、私はフラメンコは好きじゃない。フラメンコの舞台を見ていると眠くなってしまうほどだ。途中のフラメンコダンスなど増長に感じてしまうのだった。他の演目が少し淋しかったので、これくらいないと時間が短く感じられてしまうのかもしれないが。結局ファルフ自身はフラメンコは踊らないのに、フラメンコとバレエのコラボはいつまで続くのだろう。(これはルジガラがいつまで続くのだろうという疑問と同じになるのだろうか。と思うと、口にするのが恐ろしいのだが)
それにしても、あれで45才とは。本当にいつまでも美しい人だわ〜
できることなら来年も「ルジマトフのすべて」が見られますように。
下に書いた通り、なかなか演目が発表されず気を揉ませた公演だったが、直前のドムラチョワの怪我による演目変更など、やむをえない事情があったのだろう。プログラムには6月15日現在の演目が載っており、ドムラチョワ&イシュクの「ドン・キ」から、イシュクだけの演目「ゴパック」に変わったのを補うために「メディア」と「阿修羅」が急遽付け加えられたらしく、この二つは載っておらず、補足のプリントが付いていた。
第1部
☆「海賊」よりパ・ド・ドゥ ヴィクトリア・クテポワ マイレン・トレウバエフ
音楽:R・ドリゴ 振付:M・プティパ、V・チャブキアーニ
マイレンは新国の舞台ではお馴染みのダンサーで結構人気があるのだが、いつもゲストダンサーの日ばかり見ているためか、私にはいまひとつ印象の薄いダンサーだった。(マイレン、ごめん)
今回は、ファルフの得意演目「海賊」で、相手役がクテポワとは、やりにくいのではないかな〜と思ったが、そんな心配は無用だったようだ。衣装も上半身裸にエメラルドグリーンのパンツ、ベルト部分は白とシルバーに赤のラインストーンと、ファルフのとは全く違い、振付も大分違っていて、ファルフの幻影を全く見ずにすんだ。長身のクテポワと踊るのはやりにくそうにも見えたが、さわやかで超絶の強靱なアリだった。
思えば、「海賊」のアリは、こういったタイプ(カレーニョしかり、コレーラも、マリインスキーのサラファーノフでさえ)が普通で、むしろファルフのような美しい(美し過ぎる)アリというのはまず他には絶対と言っていいほど存在しない。あれは彼だけのものなのだ。そして、もはや生で見ることはかなわない、永遠に封印されてしまったのだなぁと、終わって大分たってからしみじみ思い複雑な気持ちになった。これからはもう少しマイレンを意識して見ようと思う。それにしても、新国では「海賊」はやっていないよね?彼が踊れるのだからレパートリーに加えたらいいのに、というような気もする。
クテポワは2度目だが、昨年ほどは緊張していなかったと思うが、初日は、フェッテの最後でぐらついていた。ユマ・サーマン似の美女で、細身の長身で首や手足が長い。ただ、普通だったらこうしたガラで踊るレベルには達していない。もう少しテクニックが向上すればいいダンサーになるかもしれないが、マリインスキーはダンサーの層が厚いのだなぁ、と思う。マハリナやオブラスツォーワが踊るのを見たら、ソリストとコール・ドの差は歴然というところか。
☆「ゾルバ」 イルギス・ガリムーリン
音楽:ギリシア民族音楽 振付:N・アンドローソフ
どこかで聞いたようなギリシア民族音楽をバックに、ステージを所狭しとダイナミックに踊ってくれた。
振付のアンドローソフは、モイセーエフ・バレエの出身で、ガリムーリンの友人。友人の依頼で、ギリシアのヒーローを題材にしたこの作品を振付けたそうだ。ガリムーリンは、ガラなどで90年代からお馴染みのダンサーだが、もともとガッシリしていたが、いつのまにかしっかり貫禄がついてしまったなあ。昨年2月に名古屋で久しぶりに見て、ものすごく驚いたので今回はさほどショックではなかったが。(笑)
☆「メディア」 ロサリオ・カストロ・ロメロ リカルド・カストロ・ロメロ ジェシカ・ロドリグエズ・モリナ エーサー・ゴンザレス−タブラス・メネンデス ホセ・カストロ・ロメロ ホセ・トレス・ムレーロ
音楽:M・サンスラ 振付:R・C・ロメロ
お馴染み「王女メディア」の物語をリカルドが振付たもの。ストールを両手で高く掲げ、下手から登場するロサリオの存在感は相変わらず強烈で、狂気の王女メディアにぴったりかな、と思ったものの、この場面は、「メディアの夫イアソンとコリントス王クレオンの娘の結婚式で、恋人達の喜びとエクスタシーに、その場面を傍観するメディアの怒りと嫉妬の感情が混ざり合う様子を音楽とダンスで表現している」と解説にはあるが、う〜ん、どれがイアソンやら娘やら、はたまたクレオンなのかよくわからず、私にはただのフラメンコにしか見えなかった。ロサリオのピンクのラメ入りドレスが美しかった印象だけ。
☆「ゴパック」 ヴィクトル・イシュク
音楽:V・ソロヴィヨフ=セドイ 振付:R・ザハロフ
ガラのお馴染みの演目。白い上着に赤いパンツが眩しい。よくあるような広がったタイプのパンツではなく、やや細身なのが、小柄なイシュクには合っているようだ。超絶技巧を要する演目で、イシュクは最後の手をつかない横とんぼ返りなど素晴らしいテクニックを見せてくれたが、短くてあっという間に終わってしまった。2005年来日時の「くるみ」では素敵な王子様ぶりを見せてくれたのに、昨年はけがで大きな役は踊っていなかった。このガラの素晴らしい舞台を見る限り、怪我からは完全に回復したようだ。もともと、ハンサムな顔立ちで、ドムラチョワとのグラン・パ・ド・ドゥはさぞ素敵だろうと期待していたので、「ドン・キ」が見られなかったのはとても残念だった。もう少し早かったら代役も立てられたかもしれないのに。また近いうちに是非来日してほしいものだ。
☆「シエスタ〜Siesta〜」 ユリア・マハリナ
音楽:G・カサド 振付:V・ロマノフスキー
今回はブルーのシンプルなロングドレスが美しい。世界初演の作品。「カルメン」に合わせて、スペイン風で来たか?マハリナさん。もちろんよく知られたスペイン語で「午睡」の意だが、振付家は「『人が自分自身と向き合う時間』ととらえ、そのなかで孤独な女性の叶えられない望み〜成就しない恋を描いている」そうだ。ふ〜ん、そうなんですか。彼女らしく、ロマンティックかつドラマティックな踊りではあった。最後に横たわるところはまさに「シエスタ」かな、と思ったが、ピクッと膝を立て顎を上げるところは女性の憧れや失望を表しているのだろうか? まぁ、ロシアの振付家だし。音楽はスペインだったが。とにかく、マハリナはエレガントで美しかった。
☆「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」 エヴゲーニヤ・オブラスツォーワ イーゴリ・コルプ
音楽: P・チャイコフスキー 振付: G・バランシン
バランシン作品では、というより、ガラ公演でよく見る演目のうちで最も好きなものの一つ。
ただ、女性ダンサーに関しては、2003年の「美神」でのヴィシニョーワ以上のものをいまだに見たことがないので、結構好きなオブラスツォーワといえど、分が悪いのであった。でも、スピード感溢れる動きの中にも彼女らしい柔らかさがあり、これはこれでなかなか良かったと思う。昨年のロシア2大バレエ団ガラのよりはずっと好みだった。
コルプは、初日は何だか彼らしさが感じられず、お疲れ?と思ったが、2日目はよかったと思う。
ただ、最近妖しい雰囲気の演目が多かったので、あまりにもノーブルな踊りを見るとかえって違和感があるのだろうか、何となくコルプらしくないような、本人も何となく踊りにくそうに見えたのは気のせいだろうか。テクニックは申し分ないのだけれど、オブラスツォーワとは、いとも不思議な組合せだ。それにしても、あの時ヴィシと踊っていたのは彼だったのに、全く記憶にない。恐るべし、ヴィシ。できるものならもう一度見たいものだわ。
☆「阿修羅」 ファルフ・ルジマトフ
音楽: 藤舎名生 振付: 岩田守弘
昨年に続き2度目なので、また見られて嬉しい。実は前回は、「ボレロ」よりこっちの方が好みだったのだ。ただ、当初の予定になかったせいか、前回の白いいかにも「仏教の世界」な衣装と違って、赤いパンツだったので、印象がやや違う。前背景にあった「阿修羅」の文字はなく、青いバックに赤いパンツが浮かび上がる。照明が暗いので、彼の深い眼窩が黒く、骨格が感じられ、幽玄な雰囲気というよりも、鬼気迫る感じがする。
いつも思うのだけれど、リズムのあるダンスではなく、こういう能のような静的な振付を覚えるのは本当に大変なんだろうな。一度覚えてしまえばもう身体に染み付いているのだろうか。さすがプロのダンサーなんて感心したりする。でも微妙に違っていたかもしれない。最後にバックに「阿修羅」の文字が浮かび上がり、昨年より、この演出の方が良いと思った。
第2部
「カルメン」
ド ン ・ ホ セ : ファルフ・ルジマトフ
カ ル メ ン : ロサリオ・カストロ・ロメロ
エスカミーリョ : リカルド・カストロ・ロメロ
ミ カ エ ラ : ユリア・マハリナ
死 : ホセ・カストロ・ロメロ
クラシック・ダンサー: ヴィクトリア・クテポワ イルギス・ガリムーリン マイレン・トレウバエフ
スパニッシュ・ダンサー : ジェシカ・ロドリグエズ・モリナ エーサー・ゴンザレス−タブラス・メネンデス ホセ・トレス・ムレーロ
音楽: G.ビゼー 振付: R.C.ロメロ
真っ暗な中、まず真っ赤なドレスのカルメンが照明に浮かび上がり、椅子にかけたままセクシーに踊る。音楽はオペラの「カルメン」と同じものが使われているが、時折フラメンコ調の曲も流れていた。
下手にバーが置かれ、クラシック・ダンサー達がバーレッスンをしている。上手ではスパニッシュ・ダンサー達の踊り。これが交互に照らし出され、クラシックとフラメンコのコラボのような設定なのか、そういう舞台のリハーサルのような雰囲気になっている。
ダンサー達が練習を終えかけた頃に、下手よりカルメン登場。ドレスの裾を持ち、セクシーに踊る。その様子に、ホセは心を惹かれたようだ。バレエシューズを(フラメンコ用の?)黒い靴に履き替えたホセがゆっくり彼女に近づいていく。カルメンも自分の魅力を知り尽くした女の妖しさを振りまいて彼を誘惑する。この辺はやっぱりドキドキしてしまう。ロサリオは本当にセクシーで、バレリーナ達と違い、豊満な魅力がある。ファルフも、スリムな身体に黒の衣裳が似合って、本当にセクシーな二人だ。
舞台を片づけて、ステージの準備が始まる。衣裳掛けのバーから、各ダンサー達が自分の衣裳を取っていく。(この辺、ちょっと、グルジアバレエの「白鳥」を思い出したりする) エスカミーリオは白い上下を掴み、ホセを牽制する。
男達が低いテーブルをいくつも並べ、女達はその周りに黒に金の刺繍のついたストールをかけた椅子を並べる。4人ともステージ衣裳に着替えているが、そのドレスがとても素敵だった。スペインの二人はオレンジ色に青や赤の混じったドレスに、オレンジのスペイン風の大きな髪飾り(ちょっとプラスチックぽいのが気にはなるが)、クテポワは紫系、マハリナは深い青緑と黒で、放射状の刺繍が美しかった。4人ともデザインは少しずつ違うが、糸状の飾りが印象的で素敵。
カルメンがテーブルの上で踊り、男性二人に横から支えられて降りる様子は女王様然としている。
エスカミーリオが白い衣裳に、白の大きなマントを翻して踊る。カルメンの赤、エスカミーリオの白、ホセの黒が対照的だ。だが、リカルドには悪いけれど、彼のエスカミーリオにはカルメンが惹かれる理由が感じられない。兄妹というだけでなく、色男のエスカミーリオを演じるにはやや説得力がない。彼のフラメンコのステップはスゴイとは思うが。
ミカエラを演じたマハリナはやはりよかった。でも彼女に悪いと思うものの、カルメンへの激しい愛を踊るホセは本当に素敵過ぎてどうしようもない。
時折、「死」を表す仮面の男が登場し、カルメンを威嚇する。でも彼女はそんな自分の運命を知り尽くしているかのように堂々としている。
最後は、オペラと同じように、闘牛場の外でホセがカルメンを刺すのだが、ホセ=ファルフの何と悩ましく美しいことか。彼女の腕を胸につけるところ、彼女の顔を両手で包むように抱くところ、憎い、でも愛しくてたまらない女、男を惹きつけてやまないファム・ファタールに翻弄され、殺してもなお愛さずにはいられない男の悲しみが伝わってくる。
「カルメン」はオペラはもちろん、スペイン国立バレエ団のフラメンコによる「カルメン」や、熊川哲也のプティ版「カルメン」など、色々見ているが、これほどホセの悲しみがひしひしと迫ってくる舞台は他に知らない。やはりファルフの圧倒的な表現力、その美しさに勝るものはないと(ファンだからよけいに)思う。
ただ、やはりこれで1時間は長いな〜と思う。正直言って、私はフラメンコは好きじゃない。フラメンコの舞台を見ていると眠くなってしまうほどだ。途中のフラメンコダンスなど増長に感じてしまうのだった。他の演目が少し淋しかったので、これくらいないと時間が短く感じられてしまうのかもしれないが。結局ファルフ自身はフラメンコは踊らないのに、フラメンコとバレエのコラボはいつまで続くのだろう。(これはルジガラがいつまで続くのだろうという疑問と同じになるのだろうか。と思うと、口にするのが恐ろしいのだが)
それにしても、あれで45才とは。本当にいつまでも美しい人だわ〜
できることなら来年も「ルジマトフのすべて」が見られますように。
ルジガラ演目
今日やっと光藍社のサイトにルジガラの演目が発表された。こちら
〈プログラム〉
第1部
「海賊」よりパ・ド・ドゥ ヴィクトリア・クテポワ マイレン・トレウバエフ
「ゾルバ」 イルギス・ガリムーリン
「メディア」 ロサリオ・カストロ・ロメロ リカルド・カストロ・ロメロ ジェシカ・ロドリグエズ・モリナ エーサー・ゴンザレス−タブラス・メネンデス ホセ・カストロ・ロメロ ホセ・トレス・ムレーロ
「ゴパック」 ヴィクトル・イシュク
「シエスタ〜Siesta〜」 ユリア・マハリナ
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」 エヴゲーニヤ・オブラスツォーワ イーゴリ・コルプ
「阿修羅」 ファルフ・ルジマトフ
第2部
「カルメン」
ド ン ・ ホ セ : ファルフ・ルジマトフ
カ ル メ ン : ロサリオ・カストロ・ロメロ
エスカミーリョ : リカルド・カストロ・ロメロ
ミ カ エ ラ : ユリア・マハリナ
死 : ホセ・カストロ・ロメロ
クラシック・ダンサー: ヴィクトリア・クテポワ イルギス・ガリムーリン マイレン・トレウバエフ
スパニッシュ・ダンサー :ジェシカ・ロドリグエズ・モリナ
エーサー・ゴンザレス−タブラス・メネンデス
ホセ・トレス・ムレーロ
タイム・スケジュール 第1幕 約60分 (休憩20分) 第2幕 約60分
クテポワがマイレンと踊るのね。ガリムーリンも出るって、前に出てたっけ?
ルジさんはまた「阿修羅」も踊るのか。もう一度見られて嬉しい。
オブラスツォーワとコルプの「チャイパド」も楽しみだ。
カルメンは結構長そうだ。
光藍社に問い合わせしたら、「2時間の予定です」と言っていたけど、正味時間が2時間で、休憩も入れたら終演は9時半近そうだ。3日はその日のうちに帰れるか、心配になってきた。
ともかく、明日は上京。公演が楽しみ。
〈プログラム〉
第1部
「海賊」よりパ・ド・ドゥ ヴィクトリア・クテポワ マイレン・トレウバエフ
「ゾルバ」 イルギス・ガリムーリン
「メディア」 ロサリオ・カストロ・ロメロ リカルド・カストロ・ロメロ ジェシカ・ロドリグエズ・モリナ エーサー・ゴンザレス−タブラス・メネンデス ホセ・カストロ・ロメロ ホセ・トレス・ムレーロ
「ゴパック」 ヴィクトル・イシュク
「シエスタ〜Siesta〜」 ユリア・マハリナ
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」 エヴゲーニヤ・オブラスツォーワ イーゴリ・コルプ
「阿修羅」 ファルフ・ルジマトフ
第2部
「カルメン」
ド ン ・ ホ セ : ファルフ・ルジマトフ
カ ル メ ン : ロサリオ・カストロ・ロメロ
エスカミーリョ : リカルド・カストロ・ロメロ
ミ カ エ ラ : ユリア・マハリナ
死 : ホセ・カストロ・ロメロ
クラシック・ダンサー: ヴィクトリア・クテポワ イルギス・ガリムーリン マイレン・トレウバエフ
スパニッシュ・ダンサー :ジェシカ・ロドリグエズ・モリナ
エーサー・ゴンザレス−タブラス・メネンデス
ホセ・トレス・ムレーロ
タイム・スケジュール 第1幕 約60分 (休憩20分) 第2幕 約60分
クテポワがマイレンと踊るのね。ガリムーリンも出るって、前に出てたっけ?
ルジさんはまた「阿修羅」も踊るのか。もう一度見られて嬉しい。
オブラスツォーワとコルプの「チャイパド」も楽しみだ。
カルメンは結構長そうだ。
光藍社に問い合わせしたら、「2時間の予定です」と言っていたけど、正味時間が2時間で、休憩も入れたら終演は9時半近そうだ。3日はその日のうちに帰れるか、心配になってきた。
ともかく、明日は上京。公演が楽しみ。
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