ボリショイ来日公演キャスト

ジャパン・アーツのサイトにはボリショイ公演詳細も出ている。

【ドン・キホーテ】
<プロローグと3幕> 上演時間:約3時間(休憩2回含む)
作曲:ルードヴィヒ・ミンクス
改訂振付:アレクセイ・ファジェーチェフ(1999年)
原振付:マリウス・プティパ/アレクサンドル・ゴールスキー

・12月3日(水) 18:30 マリーヤ・アレクサンドロワ/セルゲイ・フィーリン
・12月4日(木) 18:30 ナターリヤ・オーシポワ/イワン・ワシーリエフ
・12月11日(木) 18:30 スヴェトラーナ・ザハーロワ/アンドレイ・ウヴァーロフ
S¥20,000 A¥17,000 B¥14,000 C¥11,000 D¥8,000 E¥5,000

【白鳥の湖】
<全2幕4場>上演時間:約2時間45分(休憩1回含む)
作曲:ピョートル・チャイコフスキー
改訂振付:ユーリー・グリゴローヴィチ(2001年版)
原振付:マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ/アレクサンドル・ゴ−ルスキー

・12月5日(金) 18:30
 スヴェトラーナ・ザハーロワ/アンドレイ・ウヴァーロフ/ドミートリー・ベロゴロフツェフ
・12月6日(土) 12:00
 スヴェトラーナ・ルンキナ/ドミートリー・グダーノフ
・12月6日(土) 18:00
 マリーヤ・アレクサンドロワ/セルゲイ・フィーリン
・12月7日(日) 12:00
 エカテリーナ・クリサノワ/ドミートリー・グダーノフ
・12月7日(日) 18:00
 スヴェトラーナ・ザハーロワ/アンドレイ・ウヴァーロフ/ドミートリー・ベロゴロフツェフ
S¥20,000 A¥17,000 B¥14,000 C¥11,000 D¥8,000 E¥5,000

【明るい小川<ブライト・ストリーム〜ある田園の風景>】
<全2幕> 上演時間:約2時間5分(休憩1回含む)
作曲:ドミートリー・ショスタコーヴィチ
振付:アレクセイ・ラトマンスキー

・12月9日(火) 19:00
 スヴェトラーナ・ルンキナ/アンドレイ・メルクーリエフ&マリーヤ・アレクサンドロワ/セルゲイ・フィーリン
・12月10日(水) 19:00
 エカテリーナ・クリサノワ/アンドレイ・メルクーリエフ&ナターリヤ・オーシポワ/ヤン・ゴドフスキー
S¥18,000 A¥15,000 B¥12,000 C¥9,000 D¥7,000 E¥5,000

2008年日本公演スケジュール(東京公演以外)
S:白鳥の湖  D:ドン・キホーテ B:明るい小川

D:11/22(土) 三重県文化会館大ホール 三重県文化会館チケットカウンター (059)233-1122
B:11/24(月) 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール大ホール
          びわ湖ホールチケットセンター (077)523-7136
S:11/26(水) 愛知県芸術劇場大ホール 中京テレビ事業 (052)957-3333
D:11/28(金) 福岡サンパレスホール 西日本新聞社(092)711-5550
S:11/29(土) iichiko総合文化センター 大分県文化スポーツ振興財団 (097)533-4004
S:12/01(月) 札幌市教育文化会館  オフィス・ワン (011)612-8696
S:12/13(土) フェスティバルホール フェスティバルホール (06)6231-2221
D:12/14(日) フェスティバルホール フェスティバルホール (06)6231-2221


う〜ん、名古屋は「白鳥」か。久しぶりの「ドンキ」かと期待したのだけど。でも、この「白鳥」は過去に1度来たかどうかというグリゴロ版なので、楽しみではある。なにしろ、97年に来た時はあのとんでもないワシリーエフ版だったのだから。(今は上演されていない) 「ドンキ」は95年にステパネンコ&クレフツォフで見ている。

ウヴァーロフの「ドンキ」は昨年ニーナとのを見ているけど、また見てみたい。しかし、彼にはもれなくザハロワがついてくるのよね〜 彼女はもう食傷気味で、私はどうでもいいわ。素晴らしいダンサーであることは認めるけど、姫キャラのキトリはあんまり。
やっぱりアレクサンドロワ&フィーリンで見てみたい気がする。でもフィーリンは「明るい小川」で是非見たいし。

びわ湖のキャストは誰なんだろう。地方のキャストも発表してくれたらいいのに。名古屋は最近はウヴァーロフが多かったのだけど、ザハロワ付きなら無理かもね。(彼女は2000年名古屋で「白鳥」日本デビュー)

でも、その前にこのキャストで必ずいくという保証はないし。10ヶ月も先のことなんだから。ABTは7月だからまだわかるけど、同時期に発売なんて、破産しそう〜

「明るい小川」はちょっとお値打ちなのね。びわ湖はさらにお得な気がする。あそこの企業努力は毎度素晴らしいし。(滋賀銀行の努力というべきか)
企業努力と言えば、大体とはいえ上演時間が出ているのは嬉しい。でも休日が「白鳥」ばかりというのはちょっとね〜 ホント、組合せに悩むところだ。


ABT来日公演キャスト発表

ジャパン・アーツのサイトに詳細が出ている。

【ガラ】
7月17日(木)19:00
≪「ラ・バヤデール」 パ・ダクシオン≫
ミシェル・ワイルズ/デイヴィッド・ホールバーグ 
<振付:ナターリア・マカロワ 音楽:ルードヴィヒ・ミンクス>

≪「マノン」 パ・ド・ドゥ≫
ジュリー・ケント/マルセロ・ゴメス 
<振付:ケネス・マクミラン 音楽:ジュール・マスネ>

≪シナトラ組曲≫
ミスティ・コープランド/ホセ・カレーニョ 
<振付:トワイラ・サープ 音楽:フランク・シナトラ>

≪「白鳥の湖」第2幕のパ・ド・ドゥ≫
イリーナ・ドヴォロヴェンコ/マキシム・ベロセルコフスキー
<振付:ケヴィン・マッケンジー 音楽:ピョートル・チャイコフスキー>

≪「ドン・キホーテ」 パ・ド・ドゥ≫
ニーナ・アナニアシヴィリ/アンヘル・コレーラ 
<振付:マリウス・プティパ 音楽:ルードヴィヒ・ミンクス>

≪トワイラ・サープの新作≫ ※日本初演
パロマ・ヘレーラ/マルセロ・ゴメス/ジリアン・マーフィー/デイヴィッド・ホールバーグ
エルマン・コルネホ/イーサン・スティーフェル
<振付:トワイラ・サープ 音楽:ダニー・エルフマン>

7月18日(金)19:00
≪「ラ・バヤデール」 パ・ダクシオン≫
ミシェル・ワイルズ/デイヴィッド・ホールバーグ 
<振付:ナターリア・マカロワ 音楽:ルードヴィヒ・ミンクス>

≪「眠れる森の美女」 パ・ド・ドゥ≫
イリーナ・ドヴォロヴェンコ/マキシム・ベロセルコフスキー
<振付:ケヴィン・マッケンジー 音楽:ピョートル・チャイコフスキー>

≪「メリー・ウィドウ」 パ・ド・ドゥ≫
ジュリー・ケント/マルセロ・ゴメス 
<振付:ロナルド・ハインド 音楽:フランツ・レハール>

≪シナトラ組曲≫
ミスティ・コープランド/ホセ・カレーニョ 
<振付:トワイラ・サープ 音楽:フランク・シナトラ>

≪「海賊」 パ・ド・ドゥ≫
シオマラ・レイエス/アンヘル・コレーラ 
<振付:マリウス・プティパ 音楽:アドルフ・アダン>

≪トワイラ・サープの新作≫ ※日本初演
パロマ・ヘレーラ/マルセロ・ゴメス/ジリアン・マーフィー/デイヴィッド・ホールバーグ
エルマン・コルネホ/イーサン・スティーフェル
<振付:トワイラ・サープ 音楽:ダニー・エルフマン>

S¥22,000 A¥18,000 B¥15,000 C¥12,000 D¥9,000 E¥6,000

【海賊】
7月19日(土) 18:30
ニーナ・アナニアシヴィリ/未定/アンヘル・コレーラ/ステラ・アブレラ
ゲンナジー・サヴェリエフ

7月20日(日) 13:00
ミシェル・ワイルズ/デイヴィッド・ホールバーグ/ホセ・カレーニョ/ミスティ・コープランド
ジャレッド・マシューズ

7月20日(日) 18:00
パロマ・ヘレーラ/マルセロ・ゴメス/イーサン・スティーフェル/シオマラ・レイエス
エルマン・コルネホ

7月21日(月・休) 13:00
ジリアン・マーフィー/ゲンナジー・サヴェリエフ/アンヘル・コレーラ/マリア・リチェット
サーシャ・ラデッキー

S¥20,000 A¥17,000 B¥14,000 C¥11,000 D¥8,000 E¥5,000

【白鳥の湖】
7月23日(水) 18:30
ジュリー・ケント/マルセロ・ゴメス/デイヴィッド・ホールバーグ

7月24日(木) 18:30
イリーナ・ドヴォロヴェンコ/マキシム・ベロセルコフスキー/ゲンナジー・サヴェリエフ

7月25日(金) 13:00
パロマ・ヘレーラ/ホセ・カレーニョ/サーシャ・ラデッキー

7月25日(金) 18:30
ジリアン・マーフィー/アンヘル・コレーラ/ジャレッド・マシューズ

S¥20,000 A¥17,000 B¥14,000 C¥11,000 D¥8,000 E¥5,000

☆全国公演

7/26(土) 【ガラ公演】 びわ湖ホール  <問合> びわ湖ホール (077)523-7136

7/27(日) 【海 賊】 フェスティバルホール   <問合> フェスティバルホール (06)6231-2221


やっぱりガラは高いのね。それにしてもニーナは「白鳥」には出ないのか。しかも相手役はコレーラばかり。18日に宿泊して19日も見るという目論見はアテがはずれてしまったわ。連続は大変なので間1日空けるのはわかるけど、コレーラは連日だ。やっぱり若くて元気なんだろうね。
ガラ2回も見るのは同じ演目が多いのでちょっと。びわ湖のガラのキャストは誰なんだろう。
いずれにしても、前回のケガなどによるキャスト変更の嵐を考えると、これもアテにならないかも。


ダンマガ3月号

DM3

25日のレニ国「ドンキ」の会場で先行販売されていたが、表紙のかっ跳びコルプがもの凄くカッコイイ! 
マントの地模様などもよく出ているし、彼の伸びた爪先ったら。バックのチャコール・グレイが効いて渋くてお洒落な仕上がりになっている。ダンマガ久々のヒット、という出来だ。私は定期購読になっているので、帰宅すれば来ているはずだから買わなかったが、中味はしっかり下見してきた。
ああ、それなのに。配達されたのは28日だった。土日をはさんでいるとはいえ、郵便ではなく宅配便で届くはずなのに。

彼のインタビューのタイトル「二つ返事で引き受けたアブデラフマン」は下見で見ていたけど、会場で記事を長々読むわけにはいかなかったので、早く読みたかったのだ。
で、面白かったのが、
「アブデラフマン役は思いがけないオファーでした。というのは、いままでの自分のイメージとは違う役柄だったからです。これまでは王子や貴族などいわゆる良い人の役を踊ることが多かった。」 確かにそうね。何と言ってもマリインスキーのプリンシパルなんだから。ていうことは、マリインスキーでもアブデラフマンは踊っていないのね。

「でも、今回は悪役。とても面白そうだと思い、すぐにお引き受けしました。自分に似ている役というのは、演じやすい。」 ここまで読んで、悪役が自分に似ていると言うのかと思ったら、「でも自分とまったく違う役を演じる場合、その役の部分を自分のなかに発見する作業をしなくてはいけない。そういう点にも面白さを感じています。」 ギャハハ、君は自分とまったく違う役だと認識しているわけね。 確かに、コルプって、顔は悪人顔だけど(ごめんなさい)、マリインスキーでは常にノーブルな王子様だものね。
でもね〜 そういう悪人的要素、なきにしもあらず、だと思うのよね。少なくとも雰囲気は持っている。もちろん、中味はきっとすごくいい人なんだろうと思うけれど、悪役も絶対似合うと思う。ていうか、もうすでにキエフの「ライモンダ」公演で証明済み。(笑)

まぁ、彼は踊りのノーブルさが認められてトップのプリンシパルになっているのは良かったと思う。ルジさんでさえ、マリインスキーでは最初ドゥミキャラだと思われていたそうなのだから。でも、コルプの方がドゥミキャラ的要素を持っているように思う。あのルジガラでのパクリタルの「白鳥」や、「マラキ」、一般の人はあまり見てないかもしれないけど、ルジファンは見逃していませんよ。でもきっと彼もいつものお行儀のいい王子様役よりも楽しんで踊っていたように思う。ハジケていたもんね〜(笑) だから、ルジさん降板のアブデラフマンの代役が彼になっても、誰も文句は言わなかったのだと思う。というより、今いったい他の誰が代役を務められただろうか?彼のアブデラフマンなら見てみたい、と思わせてくれたものね。尤も、私は1枚分はチケット払い戻ししてもらったけど、平日でなかったら、さらに仕事の繁忙期でなかったら、2日とも見ていたかもしれない。

マリインスキーというところは、容姿よりも技術を優先させるようだからね。(当たり前なんだけど。逆だったらおかしいものね) と、ひどいこと言っているけど、コルプは決して嫌いではない。彼の踊りを初めて見たのはいつだったのだろう? 
2000年の来日公演の時は名古屋でザハロワの「白鳥」を見たきりだったので、東京公演は全く知らないが、NHKBSで放映されたのは、グメローワ&コルプの「白鳥」だった。グメローワも地味なタイプなので、この時のビデオは録ったが、ほとんど見ていない。

2003年はルジさん始め、ケガ人続出だったが、コルプは来日していたかどうか記憶さえない。ラトマンスキー版の「シンデレラ」の王子にはキャスティングされているから出ていたのだろうか? この年はこの演目はパスしてしまったので、06年のヴィシのベネフィスでの「シンデレラ」の王子しか記憶はない。この年の「白鳥」は東京と名古屋で見ているけれど。DVDの「薔薇の精」がもしかして初コルプだったのだろうか。ずいぶん若い頃の彼だけど。 う〜ん、昔のプログラムを発掘しないとわからないわ。
ともかく彼には応援モードなんだけど。

DDD3

で、DDD3月号の表紙も彼なんだわね。こちらはインタビューはないけど。現代の若者のままのコルプもやはりカッコイイ。DANZAのカバーも彼ということだし、今最も注目のダンサーというわけかな。

レニングラード国立バレエ「ドン・キホーテ」 1月25日・26日 オーチャードホール

<キャスト>

キトリ: イリーナ・ペレン(25日) アナスタシア・コレゴワ(26日)
バジル: イーゴリ・コルプ
ドン・キホーテ: マラト・シェミウノフ
サンチョ・パンサ: デニス・トルマチョフ
キトリの友人: タチアナ・ミリツェワ、アナスタシア・ロマチェンコワ(25日) アレクサンドラ・ラトゥースカヤ、サビーナ・ヤパーロワ(26日)
ガマーシュ: アレクセイ・マラーホフ(25日) マクシム・ポドショーノフ(26日)
ロレンツォ: イーゴリ・フィリモーノフ
エスパーダ: ミハイル・シヴァコフ(25日) デニス・モロゾフ(26日)
大道の踊り子: エルビラ・ハビブリナ(25日) オリガ・ステパノワ(26日)
メルセデス: エレーナ・モストヴァーヤ
トレアドール: アンドレイ・マスロボエフ、アントン・チェスノコフ
ジプシー: アンナ・ノヴォショーロワ、ニコライ・アルジャエフ
森の女王: エレーナ・エフセーエワ(25日) オクサーナ・シェスタコワ(26日)
キューピッド: サビーナ・ヤパーロワ(25日) エレーナ・ニキフォロワ(26日)
ファンダンゴ: アリョーナ・ヴィジェニナ、ミハイル・ヴェンシコフ(25日) アントン・チェスノコフ(26日)
ヴァリエーション: オリガ・ステパノワ、タチアナ・ミリツェワ(25日) イリーナ・コシェレワ(26日)
グラン・パ: アンナ・スホワ、ディアナ・マディシェワ、エレーナ・フィールソワ、エカテリーナ・スカーチナ、エレーナ・カシェーエワ、リディア・カルプーシキナ、エレーナ・スヒーフ、ヴァレリア・ジュラヴリョーワ

指揮: アンドレイ・アニハーノフ
管弦楽: レニングラード国立歌劇場管弦楽団

初日は平日でもあり、ルジさんが出ないのに宿泊して2回も見るのはやめようかとも思ったが、やはり見てよかった。何と言っても初日のハイライトは、シヴァコフのエスパーダだった。テクニック面などで色々言われている彼だが、今回のエスパーダは本当にカッコよかった。体も絞ったみたいで、スラリとした肢体を反らしてポーズを決めると、本当に若きマタドールという感じ。(このキメキメポーズは誰かさんを彷彿とさせないかしらん?)マント捌きも上手だったし、踊りの全てに目が離せないほどだった。1幕の白い衣装、3幕の黒い衣装も似合って素敵だったし、気合い入っていたのか、表情も怖いくらいに真剣そのもの。シヴァコフにこんなに惹きつけられたのは初めてかも。次回は主役めざして頑張ってね。(牧バレエにバジルで客演するとか?)
 
大道の踊り子をハビちゃんがやるのも初めて見たが、この役はどちらかと言うと、メルセデスほどではないが、姐御っぽいダンサーがやることが多いけれど、こういうややお嬢さん系のハビちゃんが踊るのもなかなか面白い。あの黒い衣装と、結ってロールに垂らした髪が、いつもと違って色っぽく感じられる。シヴァコフと、美男美女カップルに見えた。でも2、3幕ではメルセデスとアツアツなんだから、エスパーダって、伊達男だけあって浮気者?(笑)

ステパノワの踊り子は、それこそ姐御っぽくてカッコよかった。この人は、3幕のヴァリエーションの時も思ったが、スリムになった? 前気になっていた胸がスッキリして気にならなくなっていた。モロゾフのエスパーダは、シヴァコフと比べると横幅を感じてしまい、貫禄出てきたというか、オッサンぽくなったような。私のエスパーダのイメージとやや離れていた。シヴァを見た後ではちょっと不利かもね。

コルプはもちろん、とっても凄かった。やっぱりこの人はおもしろい。1幕ではピンクのシャツに紺のスペイン風ベストで、ライトブルーのタイツがなぜかジーンズに見えそうなほど、今どきのヤンキー兄ちゃんみたいだった。髪は金髪で、やや長めのを後に流したコルプ風(と勝手に思っているけど、この髪型、結構よく見る)。バジルは初役だそうだが、マリインスキーで踊っていないなんて信じられないけど、テクニック抜群の彼だから、見る方にも不安はなかった。あるとしたら別の不安。(ファンならわかると思うが、ルジさんの幻影を見るのでは、という)
キトリとラブラブのバジルで、特に2幕、ジプシーの野営地では、キトリにくっつき、キスしまくり。片手リフトも楽々だったが、2回目がちょっと危なかった。コレゴワの時は半回転してしまったし。でも初日の1幕の最後は、両腕を高く上げたペレンをそのままリフトして去っていき、マリインスキーのDVDで、テレホワさんを軽々リフトして去ってゆく若きルジさんを思い出させた。二日目は、コレゴワと手を繋いで普通に走り去って行ったのでちょっと物足りなかった。
(コルプの調子が悪いのかと思ったら、コレゴワが不調だったそうな)

彼の踊りはほとんど安心して見ていられる、なんていうのも失礼なほど上手だ。今のマリインスキーではトップの実力なんだから。カスタネットの踊りもジャンプを決めてから踊ってカッコイイ。2幕の居酒屋では、白にちょっと若草色の入ったベストで、彼の衣装って、なかなか凝っている。(彼自身のデザインとか?)ここではペレン@キトリも黒に紫のペチコートの衣装に変わっていたが、コレゴワは1幕と同じだった。よく考えたら、駆け落ちしてきたままのはずなんだから、どこで着替えたの?服を取りに家に戻ったのか、追っ手をごまかすためにどこかで調達したのか、なんて余計なことを考えてしまった。ただ、狂言自殺の場面では2回とも彼がどこから現れるのか見落としてしまった。というくらい、この衣装は周りに沈んでしまう。黒いマントをつけていたのに。

大きなナイフを振り回して、危ない、自殺するより他の人を切っちゃいそう、(スィニー・トッドか?)と思っていると、刺す真似をしてから大きな音を立てて、ナイフを放り出す。で、倒れてから、そのナイフをまた脇にはさんでるけど、それじゃ、音でバレちゃうんじゃ、なんて思ったり、倒れる時の投げキスも、2日目は大きな音をたてていて、客席から笑いが起こっていた。初日はキスしなかったような気がするが、記憶が怪しい。全てが何となく豪快で、コルプらしい。でも、踊りの中心じゃない時は、酒場などで結構小芝居してたりした。

そして、GPdDになると、さすがマリインスキーのスター。ヴァリエーションは彼のオリジナルらしく、見たことのない振付だった。(ルジさんの幻影を見なくてすんでよかったが、意識して変えていたのかもしれない)パが複雑で、余分な足捌きも入って、ヌレエフみたい、という声も。面白かったけど、こんなに変えなくてもよかったのでは?という気もする。見ていてちょっと疲れた。もちろん、すごく上手くて上品だし、丁寧なんだけれど。
ピルエットは凄まじい速さで驚いた。ただ、アダージオの時、フィッシュダイブで、ペレンを抱えるのがちょっとやりにくそうで、ハラハラしたが、コレゴワはうまく抱えていたし、1幕でもフィッシュダイブを決めていた。

ペレンは、前回ルジさんと踊ったキトリはあまり評判よくなかったが、最近は全てにおいて進歩していると言われているように、なかなかよくなっていた。結構姐御っぽいキトリで、色っぽさも加わっていた。ただ、スリムになりすぎなのか、1幕のカスタネットを持って踊る回転の時は、女らしい柔らかさがあまり感じられなかった。

コレゴワは、細かいところなど、ペレンと比べると、踊りが柔らかく、やはりマリインスキーのソリスト、という感じがする。ただ、意外にあっさりとしたキトリで、ラブラブ度はペレンの方が高かった。「バヤデルカ」でもそうだったが、演技力という点ではもう少し深みがほしいところ。童顔というか、可愛らしいキトリなのだが、意外に身長はあるようだ。もう少し踊り慣れればそれらしくなるとは思うのだが、ラブラブになろうとしているコルプとちょっとずれていて、コルプも終いには諦めていたみたいだった。同じカンパニーのダンサーなんだから(あまりにも相手が大物で緊張したのかもしれないが)役作りについてはもう少し歩み寄った方がいいのでは。

その他、2日目はシェスタコワの森の女王が見られてよかった。彼女のキトリは見てみたいとは思わないが、やはりこういうクラシックバレエの真髄のような踊りが彼女には合っていると思う。今年はルジさんが出ないせいか、彼女の踊りを見る機会が減ってしまって淋しかったので、美しい女王役を見られて嬉しい。エフセーエワの女王もよかったが、イタリアンフェッテは「バヤデルカ」の時の方がイキイキと決めて気持ちよかったが、今回はちょっと表情も踊りも硬いように思えた。彼女は笑顔で踊れる役の方が似合っているようだ。

夢の場では、全体に衣装の色が白っぽくて皆同じように見えたので、以前の方が色とりどりで私は好きだった。ドルシネア姫だけ目立つピンク色だった。衣装は結構新調したのか、全体にきれいに見えた。(照明のせい?) ペレンのドルシネアのヴァリエーションが変わっていて、音楽も聞いたことのないもので、振付も違っていた。が、コレゴワはいつも通りの踊りでこっちの方が好きだ。それにしても、皆ジュッテで舞台を横切っていくとき、よく脚が上がるな〜と感心する。後ろ足まできれいに上がっていた。

また、キャスト表にはなかったけれど、ドリアード達がソリスト勢揃いで見応えがあった。コチュビラ、コシェレワ、ミリツェワ、ハビブリナ、ロマチェンコワ、カミロワ、ヴィジェニナなど。尤もここのバレエ団ほどソリストの顔と名前が一致するカンパニーも他にないので(ルジさん効果?)よけいにそう思えたのだろうが。

シェミウノフのキホーテは、本当はとっても若いダンサーがやっているとは思えないほど役にハマっていた。前見た時は、老けメークの間から若さが垣間見られていたが、今回、知らない人が彼の素顔を見たら驚くに違いない。この間の大僧正といい、彼の演技力に磨きがかかったようだ。ただ身長が高いからこの役をやっているわけではない、と感じられる演技だったが、彼はもうキャラクターダンサーに徹するのかな?高身長と美形なのがもったいないけど、テクニックがいまひとつ伸び悩みならしかたないのだろうか。でも、素晴らしいキホーテだったと思う。なんと言ってもタイトル・ロールなのだから。

今回、芸術監督の手が入ったのか、色々前回とは変わっている所があった。まず、プロローグが、いつもと違い、部屋のテーブルや本などの大道具、小道具がなく、舞台装置は背景のみ。サンチョも食料を盗んでおかみさん達に追いかけられるのではなく、部屋の片隅で眠っている。立って色々夢想しているキホーテの前に、ベールで深く顔を覆ったドルシネア姫が現れる。18世紀風のパニエの入ったドレス姿で、色も薄いブルー系なのが舞台全体の色合いやキホーテの衣装と合っている(この衣装は前と同じだとは思うが)。助けを求めているような風情の彼女を見て、キホーテは騎士として姫君を救う旅に出る決心をするという短縮バージョンで、このあたり、シェミウノフの演技力が物を言うところ。

2幕の、風車から落ちて、夢想するところでも、あの変な巨大蜘蛛は出て来ず、中幕の前での演技のみ。わざとらしいキホーテ人形もなかった。この幕の右にキホーテとサンチョ、左にドルシネア姫の絵がついている。(あのクモは私も趣味悪いと思っていたのでなくなってよかった。ルジさんも客演していて、あれが気になっていたのかもしれない、なんて思ってしまった) ここでもシェミウノフの演技力だけで何とかなっていた。

あと、サンチョが盗んで追いかけられる魚も、派手な赤と黒のに変わっていて、スペインの魚って、こんな感じかも、と思った。(あんまり食欲はわかないけど)

GPdDの二人の衣装は白で、綺麗だった。コルプのは白なのに渋くてステキだった。(彼って結構センスいいみたい) ペレンは白に金のアラベスク模様で、いかにもなレニ国仕様だけど(でも古くさくはない)、コレゴワのはもっと金の模様が大きく、肩の網レース飾りも大きて派手だった。

全体には、「バヤデルカ」の時も感じたが、ソリストのレベルが上がっていたのがよかったと思う。キャラクテールも、いつもながらのガマーシュのマラーホフにサンチョ・パンサのトルマチョフ、フィリモーノフ@ロレンツォのトリオも見慣れたもので、こういう脇役って本当に大事だと思う。ポドショーノフはちょっと小柄だし、マラーホフを見慣れていると物足りないかな? 
脇役やソリストは結構初日の方が好きなメンバーが多かったような。というわけで、2日見て正解かな。

アニハーノフさんの指揮はやっぱりよかった。ドラマチックで、彼ってバレエをよく心得ているし、彼の振りっぷりもすごく楽しい。舞台に集中しているとあんまり気づかないのだけど、3幕の初めなんて、ノリノリで、各パートの方に大きく体を乗り出して指揮していた。

それから、初日は気づかなかったけど、2日目はカメラが入っていた。ビデオ撮影用かしら?(でもルジさんが出ないんじゃ...それよりルジさん出演の全幕のDVD出して下さいな、光藍社さん。)

最後に、「バヤデルカ」と同じようにカーテン・コールに芸術監督殿登場。期待していたので、うふふ、嬉しかったな〜 
「バヤデルカ」2日目は、最終電車に遅れないよう、カーテン・コールを途中で切り上げて帰ったら、緞帳の前にもルジさん出てきてくれたそうで惜しくも見逃してしまった。今回はマチネで時間に余裕があったので、それも見られたからよかった。最後のあの決めポーズは、「まだ踊れるよ」という彼の気持ちだったのだろうな。

初日、ホテルに戻ってから、もらったチラシの中に「ルジマトフのすべて2008」のお知らせがあるのに気づいて、それまでの(ルジさんが出ないのに2日も見るなんて、という)気分が吹き飛んでしまった。新作「カルメン」他だそうで(やっぱりまたフラメンコですか...)あのポーズはその予告の意味だったのかな?

でも、7月2日(水)3日(木)って、2日とも平日じゃん!! 昨年は土曜もあったのに〜
地方在住者にこれはキツイわ〜 おまけに仕事繁忙期だし、新宿文化センターだし... 
ううう、果たして二日とも(一日でも)行けるのだろうか?(涙)

   

ヒース・レジャー急逝

Heath Ledger

朝イチのwebのニュースで、映画俳優のヒース・レジャー氏が亡くなったと聞いて、結構好きな俳優だったので大ショックだった。まだ28才だというのに。
彼の映画は結構見ている 。
まず「パトリオット」で、アメリカ独立戦争時代、メル・ギブソン扮する民間の英雄の息子役で(日本では)デビュー、きれいな顔のさわやか青年だった。
それから、「チョコレート」で父親の目の前で自殺する息子の役、「サハラに舞う羽」では虚しい戦争に嫌気がさし一旦は除隊したものの、臆病者の汚名をはらし、友人を救うため戦地に赴く士官の役、「ブラザーズ・グリム」では落ち着いてるから兄かと思ったら実は弟の役だった。「ブロークバック・マウンテン」で大ブレイク、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。「カサノバ」では、女たらしカサノバのイメージを変え、「カサノバって、いい人?」という思いに。「ロック・ユー」は劇場で見損なったのでDVDで見た。身分を偽って騎士の馬上武術大会に出場。中世の話なのにクィーンの「Rock You」が印象的だった。
彼はいつも、優しそうでカッコイイ役が多かった。まだまだこれから良い役を演じて活躍してほしい俳優だったのに本当に残念。
心からご冥福をお祈りします。

<フィルモグラフィー>

恋のからさわぎ:10 Things I Hate About You (1999) (日本未公開)
パトリオットThe Patriot (2000)
チョコレート Monster's Ball (2001)
ROCK YOU! A Knight's Tale (2001)
サハラに舞う羽根 The Four Feathers (2002)
ケリー・ザ・ギャング Ned Kelly (2003)
悪霊喰 The Order (2003)
ブラザーズ・グリム The Brothers Grimm (2005)
ブロークバック・マウンテン Brokeback Mountain (2005)
カサノバ Casanova (2005)
キャンディ Candy (2006)
アイム・ノット・ゼア I'm Not There. (2007)

Happy Birthday to Myself!

Birthday Present

また一つ年を重ね、ブログ制作1周年となってしまった。
この1年間の大きな変化は、やはりファルフがもう古典を踊らなくなってしまったということだろう。昨年は、それを意識してか、古典4演目9公演の大盤振舞い。それらを全て観ることができたのがせめてもの救いというところだろうか。それにしてもブログを始めた年が全幕物最後の年になるとは、何と皮肉なことか。

BirthdayvCake

今年のバースデーケーキはベリー類たっぷりで甘酸っぱい。


narcissus

今年も誕生祝いにアレンジメントをもらえたけど、大寒が誕生日の私に相応しい花はこっちかも。
(我が家の水仙)

英国バーミンガム・ロイヤルバレエ 「コッペリア」

1月14日(月) 17:00〜 ゆうぽうとホール

音楽: レオ・ドリーブ
振付: マリウス・プティパ、エンリコ・チェケッティ、ピーター・ライト
演出: ピーター・ライト
装置・衣装: ピーター・ファーマー
照明: ピーター・ティーゲン

<キャスト>

スワニルダ: 吉田都
フランツ:  イアン・マッケイ
コッペリウス: デヴィッド・モース
≪第1幕≫
スワニルダの友人: ナターシャ・オウトレッド、ヴィクトリア・マール、ジャオ・レイ、平田桃子、アランチャ・バゼルガ、ジェンナ・ロバーツ
市長:  ジョナサン・ペイン
宿屋の主人: クリストファー・ラーセン
コッペリア(人形): ソニア・アギラー
ジプシー:  シルヴィア・ヒメネス
マズルカ、チャルダッシュ:サマラ・ダウンズ、アニーク・ソーブロイ、ジェームズ・グランディ、スティーヴン・モンティース
≪第2幕≫
東洋の人形: ローラ=ジェーン・ギブソン
スペインの人形: キャリー・ロバーツ
スコットランドの人形: 厚地康雄
兵士の人形: オリヴァー・テイル、クリストファー・ロジャーズ=ウィルソン
≪第3幕≫
公爵: トム・ロジャース
側近: ナサナエル・スケルトン
<鐘の儀式>
時の踊り: 英国バーミンガム・ロイヤルバレエ団
暁: キャロル=アン・ミラー
祈り: シルヴィア・ヒメネス
仕事: キャリー・ロバーツ、クリステン・マギャリティ、アニーク・ソーブロイ、アランチャ・バゼルガ、セリーヌ・ギッテンス、ディアンヌ・グレイ、サマラ・ダウンズ、ローラ=ジェーン・ギブソン
婚約: 平田桃子、ジョナサン・カグイオア
闘い: 山本康介
  ファーガス・キャンベル、アーロン・ロビンソン、ヴァレンティン・オロヴァニコフ、ロバート・グラヴノー、マティアス・ディングマン、ジェームズ・バートン、キット・ホルダー、リチャード・スミス
平和: 吉田都、イアン・マッケイ

指揮: ポール・マーフィー
演奏: 東京ニューシティー管弦楽団

協力: 東京バレエ団、東京バレエ学校

(キャスト表を書くだけで大仕事)(笑)
「コッペリア」 この演目は、子供の頃読んだバレエについての本(題は失念)に、「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「ジゼル」「ペトルーシカ」等と共に解説があり、大体のストーリーは知っていたものの、実際の上演を見る機会がほとんどなかった。
来日公演を見るようになって見たのが、ローラン・プティ版のみで、それを95年と昨年の2回も見ている。特に95年は、アルティナイ・アスィルムラートワのスワニルダ、プティのコッペリウスという素晴らしい配役だったが、やはりトラディショナルな「コッペリア」を見てみたいという気持ちを長年持っていた。パリオペのDVDは観ているのだけど、ラコット版だし。雰囲気は同じような感じだが。そういえばKバレエでもあったのにパスしてしまっていた。ロイヤルにいた熊川氏のだから、似ていたのかもしれない。

地元のバレエ教室の発表会で、「コッペリア」の中の「祈り」とか「仕事」とかを断片的に見る機会はあったが、上記の本のストーリーではそうしたディベルティスマンには触れていなかったので、何のことやらさっぱりわからずにいた。
今回、バーミンガム・ロイヤルバレエが上演してくれて、やっと伝統的な「コッペリア」全幕を観ることができた。

都さんは、とても可愛らしく、お茶目なスワニルダで、どう見ても適齢期の娘にしか見えない。
イアン・マッケイは、相変わらずカッコイイけど、浮気者のフランツを楽しんでいるのかな?という感じ。スワニルダの家とコッペリウス博士の家は向かい合っていて、ちょうどジゼルの家とハンス(アルブレヒト)の小屋のような位置にある。が、森に近い田園地帯のジセルの家の界隈よりは、村の中心地という感じで、他の家や宿屋、酒場などもあり、人通りも多く賑やかである。

今回、席がやや右寄りだったため、上手のセットが見えにくかった。コッペリウス博士の家の正面がどうなっているのか、全くわからない。バルコニーに座っているコッペリアは何とか横顔を見るくらいはできたのだが。博士の家では何かが起こっていて、大きな音と共に、二階の窓からパッと明るく何かが光るのが見えた。博士が実験でもしているのであろうか。

フランツとスワニルダがお互いに他の男女に色目を使ってヤキモキさせるところは、ちょっと「ドンキ」のキトリとバジルのような雰囲気もある。が、それよりはフランツが浮気者という感じで、コッペリアだけでなく、ジプシー女にもちょっかいを出している。彼にやきもちをやく都さんのスワニルダが本当に可愛らしく、見ている側もフランツに対して、「けしからんヤツ」という気持ちになってしまう。また、マイムがとても多いので、それによってセリフのように内容がわかる場面も多いが、かえって何のことかわからない場合もある。
村長が、トウモロコシの粒でフランツの愛が本物かどうか占ってみてはどうかとスワニルダに勧める場面があり、何やら麦の穂のようなものを(私にはそう見えてしまい、トウモロコシに見えなかった)振って、花占いに似たことをやっているのかな、というように見えた。

ストーリーを知らない人のために書くと、1幕ではコッペリウス博士は、自作の美しい機械人形のコッペリアを椅子に座らせて、バルコニーに出し、村の若者達が興味を持つのを、陰でほくそ笑んで見ている。彼は人形に命を吹き込もうという野望を持っているのだ。

村では、公爵が教会に新しい鐘を寄付し、その祝祭の舞踏会が公爵の屋敷の庭園で開かれることになり、村人達が招待されたということを、村長が告げている。ジプシー達もやって来て、マズルカやチャルダッシュなどの踊りを繰り広げる。スワニルダを始め、村娘達の衣装は淡いパステル調でレース飾りなどが多いが、ジプシー達は赤や緑の強烈な色彩で、対照的である。

やがて村人達が広場からいなくなり、コッペリウスが出かけるが、家の鍵を落としてしまう。そこへ、翌日の祝祭の飾り付けにやって来たスワニルダと友人達は、鍵を見つけ、コッペリウス博士の家に忍び込む。
また、フランツも美しいコッペリアに興味があるので、はしごを持ち出して、バルコニーから家の中へ忍び込もうとする。この辺りはプティ版も同じだ。

<第2幕>
コッペリウス博士の家に忍び込んだ娘達。布の覆いを取ると色々な機械仕掛けの人形が現れて動くので大騒ぎ。とうとうコッペリアを見つけるが、人形だと知って驚く。鍵を落としたことに気づいたコッペリウスが戻ってくると、家のドアが開いているので、入ってみると娘達がいて、怒って追い出すが、スワニルダはこっそり隠れる。バルコニーからフランツが忍び込んでくるのを見つけて捕まえるが、策略を思いつき、眠り薬入りのワインを飲ませる。フランツには飲ませ、自分の分は飲んだふりをして捨ててしまう仕草がユーモラス。テーブルの上には実験用のフラスコなどがあり、こういう所まで細かくて、演劇的だ。フランツが眠ってしまうと、コッペリア人形を連れてくる。魔術で、フランツの魂を人形に移そうというのだ。が、コッペリアの衣装を着て椅子に座っているのはすり替わったスワニルダだった。

魔術の本を見ながら、呪文を唱えて、フランツの魂を移そうとしていると、人形が動き出す。博士は本当に人形に魂が宿ったのだと思って喜ぶ。この時の都さんの人形の動きがさすがにとても上手だ。人形の振りをしながら、博士をからかったりしつつ、フランツを懸命に起こそうとするスワニルダ。このあたりがやはり「コッペリア」の見せ場だろう。最後に、本当の人形を持ち出して、魔術は何一つ効き目がなかったことを思い知らせて、フランツと共にスワニルダは去ってゆく。人形を抱えて嘆く博士。ここですごいのが、人形役のソニア・アギラー。全く動かないので、本当の人形かと思い、キャスト表に名前があることを忘れているほどだった。

<第3幕>
翌日、公爵が寄付した新しい鐘が美しく飾られ、仲直りしたスワニルダとフランツは婚約し、もう一組の婚約者達とともに公爵から金貨を贈られる。コッペリウスが現れ、スワニルダが人形をメチャクチャにしたと怒るので、公爵は彼にも金貨を与えてなだめる。
あとはお決まりのディベルティスマン。「時の踊り」「曙」「祈り」「仕事」「結婚」「戦い」という場面は、鐘をつくさまざまな時を表しているのだと、やっとわかった。まだプティパの確立したGPdD等の様式のない時代なのだが、やはり最後はスワニルダとフランツの「平和」の踊りとなる。さすがに見応えのある主役二人の踊りだった。

そして最後、村人達が去って一人になったコッペリウスがふと気がつくと、何と人形のコッペリアが動き出す。やっと彼の魔術が効果を現し、彼の幸せな気分のうちに幕となる。この点が、悲劇的に終わったプティ版と違って、ほのぼのとした終幕になり、見ている側も幸せな気分で見終えることができた。

やはり、舞台美術も凝っていて、とても手がこんでいた。村人の生活だから決して豪華ではないが、広場のセットや、コッペリウスの家の内部など、とても細かい造りで、人形達の衣装も凝っている。やはりバーミンガム・ロイヤルバレエは英国的な雰囲気の演劇バレエだな〜と実感した。ダンサー達のレベルも悪くなく、いつかまたもう一度観たいと思わせてくれる素敵な舞台だった。そしてやはり吉田都という人は、和み系だな〜と思う。お茶目で勝ち気で、まんまとコッペリウスを出し抜いてしまうスワニルダなのだけれど、彼女が演じると、どこかに優しさ、温かさが漂って、見ている方も幸せ気分になれる。イアン・マッケイとのパートナーシップもよく、良いものを見たという気分で会場を後にできるのだった。

レニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場バレエ)「バヤデルカ」

1月10日(木)11日(金) 東京文化会館 18:30〜

<キャスト>
ニキヤ: アナスタシア・コレゴワ(10日)オクサーナ・シェスタコワ(11日)
ソロル: イーゴリ・コルプ
ガムザッティ: エレーナ・エフセーエワ(10日) オリガ・ステパノワ(11日)
大僧正: マラト・シェミウノフ
ドゥグ・マンタ(藩主): アレクセイ・マラーホフ
マグダヴィア(苦行僧): ラシッド・マミン
アイヤ(召使い): ナタリア・オシポワ
奴隷: ウラジーミル・ツァル(10日) ドミトリー・シャドルーヒン(11日)
ジャンペー: エレーナ・コチュビラ  ユリア・カミロワ
黄金の偶像: デニス・トルマチョフ(10日) アントン・ブローム(11日)
マヌー(壷の踊り): エレーナ・ニキフォロワ
インドの踊り:アンア・ノヴォショーロワ アンドレイ・マスロボエフ
太鼓の踊り: アレクセイ・クズネツォフ
グラン・パ: イリーナ・コシェレワ エレーナ・コチュビラ 
       タチアナ・ミリツェワ ユリア・カミロワ
幻影の場:  イリーナ・ペレン(10日) エレーナ・エフセーエワ(11日)
       タイアナ・ミリツェワ  イリーナ・コシェレワ

指揮: ミハイル・パブージン
管弦楽: レニングラード国立歌劇場管弦楽団 


まず上野駅から出た時、いつもはごった返している文化会館前に人がほとんどいないので、遅く来すぎたかな?と思ったが(多分6時15分くらいだった)、会場入りしてみると、客席にも人が少ない。特にR,Lはガラガラ。始まる頃には1階のセンターは大体埋まっていたが(空席もチラホラ)サイドはやはりガラガラ、2階席以上も少ないように見えた。ルジさんが出ないだけでこんなに違うものかと驚く。コルプが気の毒だ。休日にやればよかったのに、と思う。(その方が私も楽だし)

マールイ初出演のコレゴワは、1幕では幸せそうなニキヤで、とても薄幸の舞姫には見えなかったが、顔が小さく、手足が長く、可愛くてスタイルも良いし、もちろんテクニックも素晴らしかった。尤も1幕ではニキヤはただソロルに恋する娘なので、幸せで良いのだが、翌日のシェスタコワのニキヤを見ると、やはり彼女の表現の方がしっとりと女らしく、神に仕える神聖な巫女でありながら畏れつつ恋の喜びも隠せない等、多くのニュアンスを含んでおり、私の好きなニキヤに近いのはやはりシェスタコワの方である。

が、第2幕、3幕と進んでいくにつれて、もともとテクニックはあるので、だんだんニキヤになっていったが、多分舞台では初役のようだった。しかし、さすがマリインスキーのファースト・ソリストだけはある。テリョーシキナといい、ルジさんの目は確かだから、今はさほどでもなくてももう少し演技力をつければきっといいダンサーになるだろう。彼女は「ドンキ」の方が合っているかもしれない。

シェスタコワのニキヤはもう2〜3回見ているが、特に2幕では涙が出そうになるほどだった。コレゴワも背中が柔らかいが、シェスタコワの柔らかさ、反り方は、こんなに凄かったかしら、と思うほどだった。3幕の影の王国ではベールの踊りも素晴らしく、全くと言っていいほどミスもなく完璧なニキヤだった。

コルプは文句のつけようがないほど踊りは素晴らしかった。ジャンプは高いし、トゥールザンレ−ルのマネージュも力にまかせて回転するのではなく、無理なくソフトに回っているのは余裕さえ感じられる。リフトも完璧だし、最後で疲れているだろうに、神殿でのジャンプも高くて、特に2日目の方がさらにパワーアップしていたように思う。また、恋人がありながら婚約しなくてはいけないという立場のマイムや表現も2日目は慣れてきたのか、少し変えていた。例えば、婚約が決まり、藩主の館でニキヤがガムザッティに祝福を与える場面でも、2日目のコルプはニキヤに顔を見られないように手で覆っていた。そんなにハッキリと表さない方がむしろいいのかもしれないのだが。ルジさんなどはそっぽを向いていたが気づかれないようにしている感じだったと思う。1日目の方は記憶があやふやだが、そこまでしてなかったような気がする。

ステパノワのガムザッティは、マールイではエフセーエワとシェスタコワのしか見てないからかもしれないが、とにかく最強のガムザで、怖いったらない。上背もあるので、エフセーエワのようにパパに甘えるお嬢様ではなく、気位の高い、ほとんど女王様という雰囲気。長いつけ睫毛で、いっそう迫力がある。ニキヤを殺してやる、というマイムは真に迫って(期待通り)怖ろしかった。

シェミウノフの大僧正は初役のようだが、背の大きい彼には合っているようで、若いながらも、それなりの高位の権力者に見えた。大きな目力にも圧倒される。若いから結構苦悩して迷っているようにも見え、根っからの悪人には見えないのは見る側の贔屓目なのだろうか。2幕の神官は日本人のエキストラなので、よけいに身長差が目立っていた。(笑)

ソリストは大体、2日目の方が良くなっていたように思う。黄金の偶像も、プロームの方がジャンプした時片足がきれいに伸びていたし、マグダヴィアのマミンも出てきた時は1日目と違うダンサーかと思ったほどだ。

しかしエフセーエワは相変わらず素晴らしく、特に2幕のグランパは安心して見ていられる。イタリアン・フェッテの安定感も文句ないので、(少なくとも日本では)初役であろうステパノワのグランパはどうなのかな、と思ったが、エフセーエワに劣らず超絶にキメていた。彼女は、クラシックチュチュだと、胴が短かすぎるのが気になることがあるのだが、今回は全く気にならなかった。チュチュも新調したらしく、白がまぶしいほど美しく、エフセーエワのは白地に金だが、ステパのは少し赤い色が加わっていた。今回、衣装のデザインは今までと同じだったが、なぜか全体的にきれいに見えたのはライトのせいなのだろうか?全部新調したようには見えなかったのだが。

コルプは、1幕だけはマリインスキー仕様なのか、ルジさんと全く同じ衣装だったので、どうしようかと(笑)思ったが、2幕では、きれいなブルーに白いビーズ飾り、2連の真珠の首飾りまでしていたし、3幕では珍しいクリーム色で、金のビーズ飾り付き。プログラムの写真のクリーム色の方が胸飾りがオリエンタルなデザインで、こっちも見たかったな〜

どうしてもルジさんの影が重なるのではないかと心配だったが、彼の踊りは全く違う。ただ、やはり腕の動きや手の表情などは、マリインスキーらしく、似たところを感じさせる。以前、ヴィノグラードフが、「キーロフの特徴は腕の使い方にある」というようなことをインタビューで言っていたが、ワガノワ育ちではないコルプも腕の使い方はやはりマリインスキー仕込みのような。ただ、(言っちゃいけないと思いつつ)後姿はやっぱり、ルジさんが懐かしくなる。彼は後姿が(も)美しく、背中で物語を語るのだ。

3人の影は、ミリツェワ、ペレン、コシェレワなので、それぞれに上手くて、楽しめた。キャスト表では2日目もペレンになっていたが、エフセーエワに変わっていた。直前に具合でも悪くなったのであろうか。

あと、キャスト表には名前がなかったけど、兵士達のリーダー格、赤い衣裳の部隊長(?)はクリギンの息子、ニキータだったと思う。横顔がソックリだった。

コール・ドは今回大幅に人員が入れ替わったそうで、初日の幻影の場はやはりバラつきがあったし、32人そろってデベロッペするところでも、震えたり、脚を早く降ろしてしまう人がいたりして、ハラハラしたが、2日目は大分揃ってよくなっていた。長い公演の中で「バヤデルカ」はたった2日しかないので、しかたない面もあるだろう。今までのような「世界一のコール・ド」という謳い文句は当分使えないかもしれない。(最近は昔に比べると多少バラつきが多くなってはいたが)

他の点で残念だったのは、床が(特に影の王国のコール・ドの場面で)キュッキュッと軋むような音がして気になったことと、最後の神殿崩壊の場面で、1日目、大道具のスタッフが、暗転する前に出てきてしまって階段を動かすのがしっかり見えてしまったこと。(まぁ、しかし、ああやって動かしているのね、というのがわかっておもしろくはあったが、今まで何度もこの演目を見ているのに、これが見えたのは初めてだった)

指揮がアニハーノフではなく残念というようなことをよそで読んでいたが、パブージンは若くてハンサムで、音も悪くなかったと思う。特に、ハープやヴァイオリン・ソロなどの音はきれいに響いていたし、金管も(バレエ公演で評判が悪いことの多い楽器だが)よかった。

やっぱり、私はこの「バヤデルカ」という演目が大好きなのだ。ストーリーのプロットもよくできていてドラマチックで納得できるし、音楽もエキゾティックでいい。決してインドの音楽と同じではないのに、インドを感じさせてくれる。太鼓の踊りなど、リズム感・高揚感がある踊りも好きだし、ジャンペーの踊りは振付も音楽も好きだ。そして、何よりこの演目を踊るマールイのダンサー達が好きなのだ。たとえルジさんが出なくても。衣装とセットはややショボイけど、ボリショイの衣装も似たようなものだったし(1幕の巫女達のはもっとヒドかったし)、セットは舞台を狭く仕切ってしまっていた。もちろん、影のコール・ドはボリショイの方が揃っていたし、ソリストも比べものにならないくらい凄いけど、今回はマールイのソリスト達もパワー・アップして皆よくなっていた。もうルジさんが出なくても、また見たいと思う。ゲストがコルプやマリインスキーのダンサー(除:サラファーノフ)なら言うことないし。

最後にカーテン・コールの時、もしや、とは思っていたが、ルジさんが出てきてくれたので嬉しかった。白いシャツにパンツで、上手端にいたので、席が上手に近かった私はよく見えて良かった。二日目はコルプが呼びに行き、黒の上下で、センターにいた。2日とも次に幕が上がった時はもういなかったが。芸術監督だから、そういう点が奥ゆかしい。あ〜、私は本当にこの人が好きなんだ、とあらためて思った。もうクラシックは踊らないと言っているが、ということはそれ以外はまだ踊る可能性はあるということになるので、また踊る彼を見たい。いつも冬公演の時に6月のルジガラの案内や先行予約があるのだが、今回はなかったので淋しい。早く手術なりして膝を治してまたファンに美しい姿を見せてほしい。若い頃は今のコルプくらい(以上?)に踊れて、なおかつ美しかったのだから、本当に希有なダンサーである。でも、また少し痩せたようなのが気になった。

補足だが、ロビーに彼のロシアで撮ったらしいサイン入りポスターが数種類売られていたのだが、初日全く気がつかなかったので(ああ、何という不覚)2日目会場入りした時はいくつかは売り切れていた。何とか2枚はゲットしたんだけど。バクティみたいな髪型で、インディアン(ネイティブ・アメリカン)のような長い房が付いている。セピア色のモノクロだけど(それだけに)すごくセクシーだ。また「ドンキ」の時売ってくれないかしら。

今年のABT・ボリショイ来日東京公演の日程

レニ国公演(バヤデルカ)より帰宅したら、JAPAN ARTSからDMが届いていた。
広報誌ピアチェーレによると、

*アメリカン・バレエ・シアター

ガラ公演:7/17(木) 7/18(金)
海賊:7/19(土) 7/20(日)2回公演 7/21(月)
白鳥の湖:7/23(水) 7/24(木) 7/25(金)2回

*ボリショイ・バレエ

ドン・キホーテ:12/3(水) 12/4(木) 12/11(木)
白鳥の湖 12/5(金) 12/6(土)2回 12/7(日)2回
明るい小川 12/9(火) 12/10(水) 

(ともにキャスト未定)
会場:東京文化会館

う〜ん、まだJAPAN ARTSのHPには出てないが、この日程だと、ABTは東京公演のみかな? 前回はびわ湖もあったのに。まぁ、名古屋はなさそうだな〜
ボリショイの方は地方公演も期待できそう。名古屋、関西、それ以外もありかも。

英国バーミンガム・ロイヤルバレエ 「美女と野獣」

1月6日(日) 17:00〜 東京文化会館

音楽: グレン・ビュアー
振付:デヴィッド・ビントリー
装置・衣装: フィリップ・ブロウズ
照明: マーク・ジョナサン

<キャスト>

ベル: 佐久間奈緒
野獣: イアン・マッケイ
ベルの父: デヴィッド・モース
ベルの姉フィエール: ヴィクトリア・マール
ベルの姉ヴァニテ: シルヴィア・ヒメネス
ムッシュー・コション: ドミニク・アントヌッチ
ワイルド・ガール:  アンブラ・ヴァッロ
雌狐: 平田桃子
カラス: 山本康介
木こり:ジョナサン・ペイン
差し押さえ執行官: ジェームズ・グランディ
収税吏: ジョナサン・ペイン
祖母: マリオン・テイト

狩人、鳥、城の獣たち、結婚式の招待客: 英国バーミンガム・ロイヤルバレエ団

指揮: バリー・ワーズワース
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

当初出演予定だったベル役のエリシャ・ウィリスが足の負傷が回復せず、佐久間奈緒に変更した。どちらも初見なので、よくわからないが、ニジンスキーガラの時会場ロビーの映像で紹介されていたのはウィリスだったように思う。愛らしいダンサーに見えたので残念だが、佐久間奈緒もなかなか美しく素敵なダンサーだったと思う。

「美女と野獣」はお伽噺としては馴染み深いが、バレエで見るのは全く初めてである。ミュージカルの「美女と野獣」はディズニー映画と同じ演出だったが、こちらはどうだろうか、と期待して見に行った。

【プロローグ】
幕が開くと、そこは立派な図書室らしく中央に丈の高い書棚が並び、上の段に連なる螺旋状の階段の上にベルが立ち、本を取ろうとしている。ディズニー・アニメでもベルは本が好きという設定だったから同じなのかな。ジャン・コクトーの映画は見ていないし、そこまで原作にあるかまではわからない。ベルが本を手にして正面を向くと、書棚の右側陰から男性のダンサーが登場する。従者らしい4人の男性も続くので、どうやら王子役のイアン・マッケイのようだ。ひと目見ただけで、技術・オーラとも主役級のそれだと感じられる。

と、そこへ一匹の狐が登場。やはりイギリスのバレエ団らしく、被り物をかぶっていて顔は見えない。こういう所がとても演劇的。いつのまにか、そこは森の中になっていて、狩猟好きな王子と従者達は狐を捕らえようとする。そこに木こりが現れ、大きなマントの襞に狐を匿う。狐は赤毛の娘(ワイルド・ガール)に変身して逃げ去る。無慈悲で残酷な王子に怒った木こりは、彼を野獣に変えてしまう。従者(友人?)達もしっぽが生えて獣の姿に。それを階段の上からずっと見ていたベル。これは彼女の夢なのだろうか、それとも予言?
いずれにしても、王子がなぜ野獣になったかをわかりやすく伝えており、物語の背景を説明するには適切な演出だろう。
舞台はかなり暗い。それ故、人間が獣に、獣が人間に変身するのが自然に行われているように見える。

【第1幕 1場】
場面は変わり、ベルの家の外。商人であるベルの父親は、持ち船が遭難し、借金のために家を差し押さえられようとしている。執行官達が家の中から家具を運び出そうとし、召使い達も出て行こうとしている。二人のわがままで贅沢な姉達は、少しでも自分の物を取られまいと、衣装などを取り戻そうとする。落胆する父を慰めるのは心優しいベル。
そこへ、娘達に求婚している金持ちのコションが現れ、官吏らに金を渡して一家を救う。そう言えば、コションてフランス語で「豚」のことだ。鼻が豚の鼻になっており、踊り方も、ピーターラビットの子豚のピグリン・ブラントに似ている。お腹も詰め物をしているようで膨れている。下の姉のヴァニテという名前は、英語のvanity(虚飾)を表すのだろう。もう一人のフィエールは、辞書が見あたらず確認できなかった。(PCだとアクサンテギューがついていないので翻訳機能が役立たない)
姉たちはコションと踊り、父親はしかたなく彼に恩を受ける。家具が戻され、召使い達も帰ってくる。やがて、彼の船が発見され、商人は荷物を引き取りに出かける。お土産に姉たちはドレスや宝石をねだるが、ベルはただ一輪のバラの花を望んだ。(この辺りはマイムもハッキリしないので、そういう設定と見るしかない)

【第2場】
暗い嵐の森の中。トランクを引きずり、疲れ果てた父親と召使いは道に迷い、盗賊に襲われる。父親は城に迷い込む。見えない主に食事や飲物を振る舞われ、眠りに就く。翌朝目覚めると盗まれたトランクが戻っており、中には美しいドレスや宝石が詰まっている。喜んで帰宅しようとした彼は、城の庭に咲いているバラの花を見て、ベルの望みを思い出し、一輪手折る。と、怖ろしい野獣が現れ、もてなしてやったのに、感謝するどころか、花を盗むとは、と怒り狂うが、彼に娘がいることを知ると、その娘を代わりに寄こせば商人の命は助けてやると言う。彼は約束して城を去る。

【第3場】
家に帰り着いた商人は娘達に一部始終を話すと、姉たちはバラの花など望んだベルが悪いのだと決めつけ、野獣の元に行くのは当然だと言う。そして、トランクを開けると美しいドレスや宝石はボロきれや灰に変わっていた。ベルは愛する父のために野獣の城に行くことを決心する。森の奧にやって来ると、カラスや狐(ワイルド・ガール)が現れる。日本のカラスのイメージよりは、美しく、ちょっと怖ろしい雰囲気だが、カラス達に運ばれてベルは城に到着し、時計が9時を告げると野獣が現れる。野獣はベルの美しさに惹かれたようだ。

舞台転換の時に、セットを手で押していくスタッフの黒い影が気になったが、椅子のように自動で動いて来るものもあった。全体的に暗く、野獣の城の雰囲気は現れているが、暗いので睡魔に襲われそうになるのが困る。でも、暗いながらも豪華なセットだった。
休憩は1回だが、25分はちょっと長く感じる。

【第2幕 1場】
ベルは次第に城の生活や野獣にも慣れていく。野獣は毎晩のようにベルに求婚し、ベルはそのたびに断り続けた。やがて、城で舞踏会が開かれる。呪いによって姿を変えられた宮廷人達も様々な獣の姿で集まる。その中でベルはひときわ華やかで美しいドレスに身を包み、野獣と軽やかに踊る。ここの衣装は、印象的なチラシ写真の衣装と同じなのだが、高く脚を跳ね上げても、あれと同じにはならないのが残念。(オーストラリアバレエの長〜いドレスと同じで現実に写真と同じにするのは難しい) 白や金、ピンク、紫のグラデーションになっていて、後方がやや長く、ペチコートで大きく広がっている、薄地でとても美しい衣装だった。
野獣は再度結婚を申し込むが、ベルに断られ、苦悩の呻き声をたてると、宮廷人達はおののき、隠れてしまう。

ベルが父に会いたがるのを、野獣は必ず戻るという条件で許す。

【第2場】
ベルが戻ると家では結婚式の準備が行われている。花婿はコションだが、花嫁はどっちの姉なのか、二人ともドレスアップして現れる。上の姉は白地にサーモンピンクの太いストライプのドレス、下の姉はパープルの色違いで、髪はデザイン違いのレースや花の飾りつき。二人で花婿を取り合って、ドタバタになる。ダンスの時、ベルの祖母の踊りが非常にユーモラスで楽しかった。こういうところが本当に演劇的で上手いと思う。最後にコションが豚の頭を被って笑いを取る。

【第3場】
野獣はベルが戻らないので苦しんでいる。その姿を従者達が鏡に映し、(それがベルの家の鏡に映るらしい)ベルはようやく城に戻る。瀕死の野獣を抱き締め、愛を告げると野獣は美しい王子の姿に戻る。木こりが現れ、全ての呪いを解いて、城の従者達も元の人間の姿に戻り、それまで暗かった背景も明るく輝く。ワイルド・ガールは狐の姿に戻り、ハッピーエンドで幕が閉じる。

と、ほとんどストーリーだが、演劇バレエを堪能したという感じだった。さすがイギリスのバレエ団。ダンサー達は被り物や、動物を表す凝った衣装でも軽々と踊っていた。その分、純粋なクラシック・バレエのような鍛え上げられ、引き絞られた体のラインを見るという点では物足りないかもしれない。テクニック的にも純粋クラシックのような振付はほとんどない。にもかかわらず、やはりイアン・マッケイ等の優れたダンサーは着ぐるみのような衣装を通しても、研ぎ澄まされたテクニックを感じさせるのである。彼は容姿も美しいので、野獣の被り物を被っている時間の方が長いのが残念であった。(笑)

また、舞台セットも非常に洗練されており、重厚感があった。とても満足な美しい舞台であった。次のコッペリアも楽しみである。
(と時間がかかっているうちに、もう明日はレニ国(ミハイロフスキー劇場)の「バヤデルカ」なのである。ルジさんが出ないのでモーチベーションが下がりっぱなしだが、コルプの踊りはまた別の意味で楽しみではある。)

A Happy New Year!

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謹賀新年
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

今年はもう少しでブログを始めて1年になる。
昨年はせっかく数多くのバレエや映画、展覧会等を観たのに時々記事が書けなかったりしたので、(クリスマス特集書きかけだし...笑)遡っても残しておきたいと思うのだが...
(働く主婦は時間がないのよ---言い訳)


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我が家の玄関のアレンジメント