ABT2008年公演情報

ABT08

ジャパン・アーツからDMが来て、チラシが入っていたけれど、サイトにABTのブログができていたことに今日気がついた。

<2008年の公演情報>

7月17日(木)18日(金) 《ABTオールスター・ガラ》 真夏の祭典!

7月19日(土)20日(日)21日(月・休) 《海賊》 男達が舞う!!

7月23日(水)24日(木)25日(金) 《白鳥の湖》 ロットバルトが二人!?何かが違う!  (って何?このコピー) 振付:ケヴィン・マッケンジー

全公演:東京文化会館にて

来日予定プリンシパル・ダンサー:
(「これがスーパースター軍団ABTだ!!」っていうのが笑える)

ニーナ・アナニアシヴィリ ジュリー・ケント イリーナ・ドヴォロヴェンコ パロマ・ヘレーラ
ジリアン・マーフィー シオマラ・レイエス ミシェル・ワイズ

ホセ・カレーニョ イーサン・スティーフェル マキシム・ベロセルコフスキー アンヘル・コレーラ エルマン・コルネホ マルセロ・ゴメス ディヴィッド・ホールバーグ 

2008年2月17日(日)一斉前売り開始(予定)

とまぁ、一昨年の来日公演でお馴染みのダンサーばかりだけど、今度はケガとかないように、無事に公演を終えてほしいものだ。 

それにしても、地方公演はないのかしら? と言っても名古屋はまず来なさそうだけど。
前回、前々回ともびわ湖には来てくれたから、どうかな〜 
マッケンジー版の「白鳥」というのも、見たことないけど、変わっているのかしら。

ちなみに、実際のチラシの写真は、上のよりセピア色がかっていて、カレーニュが素敵。
(でも、アリのあの水玉パンツはやめてほしいな〜)


モーリス・ベジャール氏逝く

TVのニュースで知って驚いた。
詳しくはこちらに。

80才。男性だから平均寿命を上回っているとはいえ、精力的な振付家だったのに。バレエ界は惜しい人をなくした、というべきであろう。
公演を間近に控え、ベッド上でも振付をしたり、スタッフと打ち合わせをしたり、まだまだ頑張っておられたようだったが残念である。
今頃は天国でドンと出会っているだろうか。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。


中国障害者芸術団 JAPAN First Tour 2007「千手観音-My夢Dream-」

千手観音

11月17日(土) 愛知厚生年金会館  17:00〜

以前、Yuraさんのサイトの掲示板で紹介されていた「千手観音」の公演。気になっていたら、e+からお知らせが来て、迷っているうちにSOLD OUT。 その後ソワレの追加公演のお知らせが来たので、今度は迷わず購入。それでもやや出遅れたのか、後の方の端に近い席しか取れなかった。席が選べないシステムなのでしかたない。この公演もSOLD OUTだし、各地の公演も軒並み売り切れ。人気あるのね〜 もしかして福祉関係の団体が動いているのかな?とまで思った。

こちらが公式サイトだが、e+のサイトの方が、動画が長く見られるし、千手観音主演のタイ・リーファさんのインタビューもある。

当日、マチネが終わって出てきた人達を向かい側の喫茶店から見ていたが、やはりすごい人で、続いて入るソワレの人並みもまるでディズニーランドのアトラクション待ちのような曲がりくねった列という状態で、会場は熱気が充満している感じだった。ステージは、いつもの緞帳の周りに、紗幕に描いた波のような模様がついているし、左右に大きなスクリーンもあって、見慣れたホールと雰囲気が違って見える。
幕が開くと、チャイナドレスの美人の司会者が手話で紹介。日本語のアナウンスもあったが、同時に左右のスクリーンに日本語の字幕が出る。そして、最初の演目「千手観音」が始まった。

映像と同じ音楽と動き。私の席は左寄りだったため、真ん中じゃないと、千手らしく見えないな〜と残念に思っていたら、左右のスクリーンに真ん中で写したライブカメラの映像が映っていた。色はやや実物と異なるものの、真ん中の席で見るのと同じように見えたのでよかった。金色の衣装をつけた21人の男女が重なって、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。本当に聴覚に障害があるなんて信じられないほどの、音楽にピッタリな動き。確かに、舞台左右の手前に手話の先生がいて、手の動きでリズムをとってくれるので、それを見ていれば何とかなりそうだけれど、動きによっては見られない位置に来ることもあるし、下を向いて踊る場面もある。それでもピッタリと音楽に合っているのだから、厳しい訓練の賜物なのだろう。全員の息がピッタリ合った、素晴らしいパフォーマンスは、わずか10分足らずで終わってしまった。もっともっと見たい、という気にさせる完璧なパフォーマンス。若いとはいえ、障害を乗り越えてあれだけのものを見せるのは相当な訓練と努力がいることだろう。奇跡のような舞いに、会場はただただ感動していた。

その他は、車椅子の方や、視覚障害の方の歌、太鼓や楽器の演奏、聴覚障害の方のアクロバティックな田植えの踊り、京劇、蝶の舞い等、全員が何らかの障害を超える努力で、素晴らしいパフォーマンスの数々を見せてくれた。決して同情などの安っぽい感情で観劇するのではなく、それぞれが芸術性の高い技を披露しているというところが感動的であった。

中でも、やはり「千手観音」の美しさ、芸術性は傑出しており、この公演を成功に導く大きな鍵だと思う。他の演目だけだと、ともすれば同情のみを誘うような催しにもなりかねないところを、芸術作品・娯楽作品として鑑賞に値するのがこの演目の素晴らしさであろう。30分ほど遅れて入ってきた観客がいたが、一番の目玉が見られなくて気の毒だった。最後のフィナーレには少し登場したが、他の演目も兼ねて出ていたダンサーもいるから、やはり最初の圧倒的なパフォーマンスのようなわけにはいかない。これからこの公演を見る人は、絶対遅刻しないようにするべきだろう。

あと、いつものバレエ公演などとは客層が違うのか、隣の男性二人が、ずーっとしゃべり続けていたのが気になった。サーカスやスケートでも見るような感覚なのだろうか。休憩時間がなかったので注意する暇もなかった。 

インバル・ピント・ダンス・カンパニー公演「Hydra」

Inbal

11月14日(水)  愛知県芸術劇場 大ホール 18:45〜

珍しく愛知芸文でインバル・ピントの公演をやるというので見に行った。
この公演は、関東では彩の国さいたま芸術劇場だけで、西日本ではここのみ。愛知芸術文化センター開館15周年記念のイベントらしい。

以前びわ湖ホールに来た「オイスター、ブービー」という演目を見損ない、その後TV放送されたのを見たら、何だかおもしろ不思議ワールドが展開されていたので、地元だし今度は生で観てみようと思ったのだ。今回は日本人ダンサー森山開次さんと大植真太郎さんも出演している。
愛知芸文センターの特集記事はこちら

幕があくと暗い中に一人の女性の姿がぼんやりと浮かび上がる。いや、一人ではない。その周りに何人かの人が、口にペンライトをくわえて、そのかすかな光を集めて女性を照らし出そうとしている。やがて女性がうずくまり、皆がそれに折り重なるように集まる。
明るくなると、男女各6人の姿が。男性は白いタンクトップに黒いパンツ。一人年配の男性だけが黒い上着を着ている。女性は、18〜19世紀のシュミーズドレスのような白いふんわりした衣装で、胴の部分に黒いグログランリボンのようなのが縁取りになっていたり、巻き付いたりしているが、デザインは皆違っている。そして、ふくらんだスカート部分の後にスリットが入っていて、中からヒモが垂れ下がっているのが見える。髪はアップにして、淡い色のリボンやレース、花飾りがついて、とっても可愛い。バレリーナのようなガリガリの体型ではなく、普通にややふくよかな白い腕などが女性らしい柔らかさを出している。皆可愛いい女性ばかり。

踊りながら、女性達が年配の男性の上着を1枚ずつ脱がせ、他の男性に着せていく。なんとこの人は6枚も上着を着ていたのだ。

ステージは薄い水色の壁に三方を囲まれている。後の壁に横に細長い窓が開いていて、そこから手を出したり、顔を覗かせたり、長い棒を取り出して渡したり。その前の床の上には、縁台のような長い木の台。これに立ったり座ったり、斜めにして滑ったり、色々なことに使うのだが、真ん中に穴があいていて、くだんの長い棒をその穴に突っ込んで立てたりする。同じ素材の丸い板の中心に棒がついたものをその長い棒にさしこみ、女性がその上に乗ったりする。(写真のように)
主にその棒を支えているのは年配の男性なのだが、他の男性も支えたりして、決して写真と同じというわけではないのだが。

ステージ上手の天井から大きな袋がロープで吊されているのが、何とも気になる。そして、年配の男性のズボンの右足の横に、何か短い棒のようなものがくっついているのも。

音楽は最初シンプルなドミソドミソというようなリズムの繰り返しで始まるが、だんだん複雑なメロディーに変わっていく。時々、馬の蹄のカツカツいう音や、嘶き、風のような音も聞こえる。

森山さんと大植さん、二人の日本人ダンサーは、一緒に踊っていても特に違和感はない。森山さんは例の長い金髪だし、大植さんは坊主頭なのにもかかわらず。しいて言えば、この二人はイスラエル人ダンサーより少し細いし、時々、二人だけで絡み合う振付もある。そして、男性の上着には、内側に白いヒモのようなものが付いているなと思っていたら、女性達にその上着を背中でクルクル巻かれ、頭の上に載せられてヒモでくくりつけられ、帽子みたいな、不思議な日本的な歌舞伎調の被り物みたいになって、そのおもしろ頭で二人だけが踊るという場面がかなり長くあった。

そして、二人と年配の男性がからみつつ、森山さんが肩車に乗るんだったか、長い棒をつたって登るんだったか、とにかく、手を伸ばして、件の大きな袋の底を突っつくと、穴があいて、砂がザーッとこぼれ落ちてくる。と、年配の男性が、右足にくっついていたものを取り出す。なんと、それは折りたたみの傘だったのだ。砂がかからないよう、傘を広げるのであった。砂はいつまでも静かに落ち続ける。

とにかく、そういった、やはり不思議な踊りが続き、女性達がまた出てくると、あのドレスの後のスリットのところをヒモでたくし上げて、カーテンのようにドレープが入っている。だから時々お尻まで見えるのだけど、衣装だから別にイヤらしくはない。 そのうち、女性の一人の鼻の下にものすごく長い編んだ2本の髭が付いている。一つが2mくらいあって、その端を1mくらいの棒で支えて他の女性達が持っている。そのうちに、もう一人の女性にもまた髭が付いて、棒で支えて、という情景が続く。

終盤は全員で色々踊るのだが、緩慢なリズムにだんだん睡魔に襲われ、少しウトウトしてしまった。最後に見ると、いつのまにか砂袋は元どおりになって、砂は止まっていた。私の席は、最前列だったので、ずーっと足元が見切れた状態だったのだが、最後のカーテンコールの時、ちょっと背伸びしてみたら、ステージ一面に白い花のようなものが落ちていた。ポスターのイラストにもあるタンポポの綿毛のようなものが上から落ちてきた、ということを後で聞き、しまった、眠らなければよかったのに、と後悔したが、すでに遅かった。

ダンス自体は1時間ばかりだった。その後、ステージ上の幕前で、アフタートークがあった。この時は最前列だったのが嬉しかった。インバル・ピントさんとアヴシャロム・ポラックさん、芸文センターの唐津絵里さん、それに通訳の方の4人が椅子を並べて目の前に。

唐津さんの司会で、この演目の振付の意図、ヒントとなった宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」との関連性などについて質問があった。インバルさんの英語がとってもキレイでわかりやすく、むしろ通訳さんが不要なくらいだった。English to English でわかるというのは、こういうことなんだな、と実感した。

とにかく内容としては、まずインバルさんとアヴシャロムさんの二人で振付をするのは難しいのでは、ということについては、"We are one."という答がストレートでわかりやすかった。スケッチブックを用いて、図を描いて場面の動きを決めていくそうだ。なるほど、このカンパニーのダンスがとても絵画的な理由がわかった。

その他、宮沢賢治との関連については、私も全く感じられなかったのだが、テーマは「旅」ということだそうで、賢治の小説のテーマも「旅」だから、ということくらいで、他の要素は全くイメージに取り入れようとはしなかったそうだ。だから馬の嘶きや蹄の音も出てくるわけだ。人生は「旅」のようなものだから。

あと、「Hydra」というタイトルについて、ギリシア神話に出てくる怪物というイメージだけではなく、色々な意味があるのだと言っていた。「水」のイメージもあるそうだし。なるほど「hydro」の方ね。二人の日本人ダンサーが加わったことについては、彼らが入って、色々新しい経験ができたというようなことを言っていた。

というような内容で、30分くらいでトークも終わり、全体では2時間弱の公演だった。
今回は、白と黒のとってもシンプルなイメージだったが、色々と可愛らしく楽しい演目でもあった。できればもう一度見てみたい。それにしてもこの劇場の最前列はちょっとよくない。チケット買う時、座高が低いから、前の人の頭が気にならない通路横の席を、と希望したら、最前列も空いていますよ、と言ってくれた係の人の言葉に、よく考えず買ってしまった自分がちょっと恨めしかった。

このホールは、12月からメンテナンスのための改修工事が行われる。20日のキエフの「くるみ」を見ない私には、これが当分最後の公演だ。来年4月以後、工事が終わったホールで最初に見るのは、今のところパリオペラ座の「ル・パルク」の予定。そのチラシももらったが、東京公演のチラシとほぼ同じ。違うのは「よみがえる万博公演『シーニュ』の感動!!」というところだろうか。
「ル・パルク」東京公演はオーチャードなので、今回は上京する気になれない。キャストも同じだから、地元だけで見ようかしら。オケピがあれば、このホールはオーチャードなどよりずっとバレエ向きなんだから。


フェルメール展

新国「椿姫」の前に、国立新美術館の「フェルメール展」を見に行った。新美術館は初めてだったが、地下鉄千代田線乃木坂駅を出るとすぐで便利だった。あまりに大きすぎて、近くでは写真に撮れないほどである。午前10時開館で、15分過ぎくらいだったが、館内は結構混雑していた。

例によって、「牛乳を注ぐ女」がメインなのだけれど、そこへ辿り着くまでに様々な絵を見せられる。(笑)でも、17世紀、イギリスとの戦いに敗れるまでは、オランダが繁栄していたことは、絵画の上にもはっきり表れている。オランダの風俗画には、見た目ではわからない裏の意味が隠されていることが多いそうだ。働き者の女中かと思えば、結構放蕩女だったりするようで、音声ガイドだとそういう解説があってよくわかるが、公式サイトにも紹介されている。色々象徴的なモチーフも用いられていた。

メインの展示場に近づくと、CGで、フェルメールが視線の中心になる点に針を刺し、そこから直線を放射状に伸ばして、遠近法を取り入れていたこと等がわかりやすく説明されていた。
X線を絵にあてて、消した部分等もわかるようにしてあった。確かに現代の技術はすごいけれど、フェルメールも並の画家ではなかったことがよくわかる。

目的の「牛乳を注ぐ女」の絵のある会場は、二重にしきりがしてあって、離れていても立ち止まって見たい人、動きながらも近くで見たい人が分かれて見られるようにしてあるのは、ダヴィンチの「受胎告知」と似たような展示方法だった。両方のコースで見てみたが、ライトに油絵の具が照らされて、光ってやや見にくかった。暗い所に置いて光を当てるより、もう少し明るい所で柔らかい照明で見た方が見やすいように思った。

写真等で何度も見ている絵だが、本当に女性の上着の黄色が鮮やかで、これがまず目に入ってくる。次いで青い前掛けと、手前のテーブルの上の青い布。「真珠の耳飾りの少女」のターバンと同じように、ラピスラズリが使われている。当時ものすごく貴重で、高価だった鉱物の粉を亜麻仁油で伸ばして、惜しげもなく使った鮮やかな色。そして、茶色の壷から注がれる細い白いミルクの筋へと目が動く。その前にあるパンもリアルだ。固くなったパンにミルクをかけてパンプディングを作ろうとしているのだということを、解説で初めて知った。なるほどね。背景にあったストーブ等を塗りつぶして何もない白い壁にし、まず女性に目がいくようにしたのは正解だと思う。
ただ、やはり実物の印象としては、油を反射した光がやたらギラギラして、左の窓から光が入ってくるフェルメール独特の構図をあまり味わえなかったように思う。2004年に見た「画家のアトリエ」のように、東京都美術館での柔らかい照明での展示の方が「フェルメールの絵」を実感できたと思う。

また別の所には、当時の楽器が展示されていた。フェルメールの絵の中にはリュート等の楽器を奏でている人物もよく描かれている。現代では珍しい楽器の名前もわかってよかったが、ピアノに似た楽器は弾くところがすごく小さくて、戸棚のように凹んだ右側の一部に鍵盤があって、片手だけで演奏したのか、演奏方法がよくわからない感じだった。楽器はすべて「学校法人上野学園」の所蔵品であった。
その奧に小さな台所が再現してあって、「牛乳を注ぐ女」の絵と同じようになっていた。このコーナーの床はフェルメールの絵によく登場する白と黒のチェック模様のタイルのようになっていた。

それ以外は風俗画で、版画も結構あった。私は版画はあまり好きではないので、適当にとばして見たが、じっくり見たら大分時間もかかっただろう。見終わったら、12時を回っていたので、次の公演もあるし、食事しようと思い、3Fにある有名なポール・ボキュースのフレンチレストランを覗いたら、順番を受け付けていたが、その時申し込むと1時半頃になるというので、冗談じゃない、と思ってやめた。2時からバレエなのに、のんきにフレンチを食べている場合ではない。

2Fの喫茶もかなり混んでいるようだったので、1Fのカフェテリアでサンドイッチとミルクティーで軽く済ませた。外のテラスにお盆を持って出られるようになっていたのでそこで食事したが、見上げると例の美術館外観の波形にくねったガラス壁が見られる。ガラス窓にさらに、ルーパーのように何枚もガラス板が水平に付いていて、その上に落ち葉などが載っている。見ている人が「これは掃除が大変だわ〜」と言っていたが、私もそう思った。業者を雇って清掃するのだろうから、メンテナンスの費用が相当かかりそうなデザインだと思った。バブルの時代はとうに去っているのだから、デザイナーももう少しコストパフォーマンスというものを考えるべきではないだろうか。空間にある大きなカップみたいなカフェやレストランといい、「美術館自体がアート」というコンセプトなのだろうけど、国家の財源で作ったにしてはムダな空間が多いような気がする。その最たる例の一つである新国立劇場へと、美術館を後にして初台へ向かった。

入手したチラシによると、「レンブラントの夜警」という映画が来年1月12日から、新宿のテアトル・タイムズ・スクエアで上映されるそうだ。どんな物語があの絵から生まれるのだろう。
公式サイトはこちら

西大寺と興福寺 奈良秋の旅・続き

西大寺は、東大寺に比べ、あまり訪れる人がいない。私も初めて行った。創建当時は東の東大寺と並ぶ西の大寺だったのだが、その後焼失し、再建されたものの規模はかなり縮小され、当時の面影は全くない。
西大寺

西大寺の鬼瓦は形がおもしろい。
西大寺の鬼瓦

軒下の竜の彫刻がすごい。
軒下

隣の愛染明王が保管されているお堂
愛染明王堂

鐘楼が素晴らしい。軒下の彫りが見事。
西大寺鐘楼

建物ばかりでは味気ないので植物を。名も知らぬ秋の花が美しい。
秋の花

その後興福寺へ向かった。奈良公演付近はやはり正倉院展の影響もあって大変混雑していた。
興福寺では特別公開があるのだった。こちらは新聞の紹介記事で写真も見られる。 
まず、国宝館で、本尊の千手観音菩薩像を始め阿修羅像等を見た。興福寺の仏像(文化財)等はこちらに詳しく出ている。やはり、阿修羅像は美貌で、八部衆像の中では最も人気がある。そのケースの前では人並みがなかなか動かないので警備員に注意されていた。普段はそのうちの4体しか展示されていないそうで、今回11月25日まで8体全てが特別に公開されている。
<阿修羅像 と 八部衆像>
阿修羅像八部衆像

東金堂&五重塔
興福寺東金堂&五重塔

この後本坊の大圓堂で特別公開の秘仏の聖観音菩薩立像を見た。高さ87cmの、さほど大きくない像なのだが、光背が豪華で素晴らしい。結構人が並んでいて、20分待ちくらいだった。
北円堂も特別公開されていて無著・世親立像が見られた。日本史の教科書でしか見たことがなかったので感動した。
北円堂

<無著・世親立像>
無著・世親立像

南円堂は閉ざされていた。ここには不空羂索(ふくうけんさく)観音像が安置されている。

南円堂

<不空羂索観音像>
不空羂索観音像
 
出口付近の三重塔。そろそろ日も傾きかけてきた。
興福寺三重塔

猿沢池より五重塔を望む。
猿沢池

池を眺めてしばし休息。ここに来ると、ならまち等が近いのだが、夕方に近づいて来たので寄らずに帰途に着いた。やはり奈良と言えば柿葉寿司なので、お土産というより夕飯用に買い求めて帰宅した。
世界遺産でもある我が国有数の国宝・重文の数々を拝観でき、文化の日に相応しい一日であった。

やはりルジマトフの「阿修羅」を思い浮かべてしまった。本物の阿修羅像を目のあたりにして、(形の上で共通な所は手の形くらいなのだが)あらためてあれは本当に素晴らしい作品だと思う。是非また再演してほしい。ルジさんも本物の阿修羅像を見たのだろうか。

月刊誌「日経おとなのOFF」12月号に今回の阿修羅像を含め、多くの国宝が出ている。鎌倉の整然とした円覚寺舎利殿の前に立つ表紙の写真モデル鶴田真由のコメントが印象的だ。「粛々と凛としていて、本来、日本人はこういう精神構造を持つ民族なのでしょう。」


国宝唐招提寺金堂 平成大修理現場見学会

奈良唐招提寺金堂の平成の大修理工事は2000年に始まった。阪神大震災をきっかけに、1200年前に建てられた金堂の構造を見直すこととなり、10年計画で修復する事業が発足したのである。この模様をTBSが監修した「唐招提寺プロジェクト」 もある。 こちらで修理の概要が見られる。

唐招提寺は奈良のお寺では、かなり好きな所なのだが、場所がやや不便なため、あまり行く機会がなかった 。2002年春に行った時は、すでに上からすっぽりと、味気ない金属製の素屋根が金堂全体を覆っており、それ以外の建物のみを参観したのであった。2009年の落慶が待ち遠しく思われた。

以後各地で「唐招提寺展」が開かれ、鑑真和上像も公開された。これは名古屋市博物館で02年の1月に見ていた。05年には東京の国立博物館で大規模な展示会があったようだ。こちらにも行けばよかったと思うが、すでに名古屋で見ていたため、情報収集が甘く知らなかった。

今月2日の夜、NHKのニュースで、屋根の改修工事がほぼ終わり、素屋根をはずす前に、現在の様子を特別に公開する見学会が、2〜4日の3日間限定で行われると知り、急遽3日に行って来た。殊に4箇所の軒先の下にある、魔除けの「隅鬼」(すみおに)が見られる最初で最後の機会ということで、これを逃すまいと思ったわけである。これらの隅鬼は前述の国立博物館でも展示されていたようだ。
http://www.toshodaiji.jp/cgi-bin/oshirase/picbbs.cgi?
比較的地理的に近いとはいえ、奈良は名神高速からは京滋バイパスへ抜け、一部一般道から京奈自動車道を通って、片道約2時間である。6時に自宅を出発し、交替で運転して、8時過ぎに渋滞もなく駐車場に到着。開館8時半には間に合ったが、すでに門前は人の波。すぐ列に並んだが、私達の前に30〜40人ばかりの人が待っていた。それでも早い方で、見る間に後に列が連なった。開門して中に入ると、見上げるばかりの高さに「素屋根」と呼ばれる大きな覆いの建物。人が多いせいか、予定の9時より早めに入場させてくれた。

素屋根(表)

屋根修復
今回の修復は、この変形した屋根を回復させるのが大きな目的。

修理前堂内
修理前の堂内の様子を写したパネルも展示されていた。この仏像の一部は修復中だが、修復の必要のない像は、隣の講堂に移動して安置されている。
足場がキチンとしており、結構頑丈な分厚い板張りで、足下が見えるような工事現場の不安は全くない。スロープを上り、3階に上がると、そこは軒下の高さである。一面に屋根だけが見え、壮観というほかない。
足場最上階

金堂大屋根

鴟尾
<東側鴟尾>
鴟尾(西)
<西側鴟尾>
中央に、古くなって取り替えられた鴟尾(しび)が展示されている。東側の鴟尾は鎌倉時代のものらしいが、西側のは創建当時(奈良時代)のもので、表面が剥離しかけている。東のは、焼狂いから割れが入っており、どちらもこのまま屋根に上げるのは危険と判断されて、新しいものが造られた。この様子は以前TV放映があり、見ていたが、目の前にあると実際の大きさがわかって興味深い。新しい鴟尾はすでに屋根の上に載せられている。
隅鬼
<隅鬼>
そして、4つの角の軒先に行くと、目当ての隅鬼が見られる。これらの隅鬼は四駆とも修理されて元の位置に収まったものだが、軒下の見にくい部分なので、腹這いになって見られるよう、敷物が敷かれていた。西南隅鬼のみは江戸時代の作だが、他の三体は奈良時代創建当時のものそのままだそうだ。
隅鬼2

皆、こんな感じで覗いたり、写真を撮っている。
隅鬼撮影

鬼瓦もすごいものが使われている。これも4隅で形が微妙に違い、角形のものと丸形のものがある。2重になっていて、このカーブが壮観だ。瓦によっては製作時の年号が記されている。これはまだそのまま使えるのだから、大したものだ。
鬼瓦

鬼瓦4

鬼瓦2

丸瓦

平瓦

丸瓦にも「唐招提律寺」の文字が。このお寺は南都六宗の中の律宗なのだ。
私達は早めに入場できたので空いていて見やすかったが、徐々に人が増えてきて、写真を撮るのも大変なほど混雑してきた。一応4箇所とも、隅鬼、鬼瓦ともカメラに収めて、下に降りた。21世紀の技術と、天平時代の建築技術との対比を目の当たりにすることができて感慨深かった。
足場

model

出口付近に金堂の10分の1の縮尺で作られたレプリカがあった。白い部分が補修用に継ぎ足した所である。屋根が重さで変形してきたため、それを支えるように木材を補ったのである。このように継ぎ足して補修していけるのが、木造建築の良さで、我が国に法隆寺のような世界最古の木造建築が残っている所以である。それにしても現代は費用がかかりすぎるため、修復の困難な建築物も多いようだが、世界遺産である以上、修復して保存しなければならない。隣りの講堂(下の写真右側)に、世界遺産の証明書(レプリカ)も置かれていた。 
素屋根(裏側)

裏から見るとわかるが、この左のお堂(舎利殿)のために素屋根の建物が一部凹んでいて、軒先の1箇所だけはギリギリで通るのがやっとくらいだった。(なのでそこの隅鬼は撮影禁止なのだが、やはり皆撮影していた)

こうして、21世紀の建築技術の粋を集めて、「天平の甍」は現代に蘇ったのである。2009年秋の落慶法要が待ち望まれる。その後一般公開されたら、未見の東山魁偉の障壁画も見たいものだ。でも混むだろうなぁ〜
その後、宝物殿他を見て唐招提寺を後に西大寺へ向かった。11時少し前だったが、反対側の道路は大渋滞をおこしていた。5時間待ち(!)であきらめた人もいたようだ。やはり先手必勝。5時起きした甲斐があった。

(続く)

テレプシコーラ 第2部開始

DaVinci12

本日発売のダ・ヴィンチ12月号より、いよいよ「テレプシコーラ」第2部連載開始である。

ネタバレになるのであまり書けないが、時は流れ、六花は16才、高校生に。
初め、誰だかわからないほどの成長ぶり。(野上みずきちゃんかと思ったよ)
その間、登場人物には色々な変化があった。(金子先生、五嶋先生等)
六花は、ローザンヌ・コンクールに出場することとなるのだが、出発までに次から次へと様々なことが起こり過ぎで、(やっぱり山岸ワールド)果たして無事ローザンヌに辿り着けるのか、というところで次号へ。

ついでに「ヴィリ」の単行本と、「エマ」第9巻を購入。「エマ」(森薫作)は相変わらず番外編だが、あともう1巻で終了らしい。(それはそれでちょっと淋しいような)




新国立劇場 牧阿佐美の「椿姫」初日

11月4日(日) 14:00〜  新国立劇場 

<キャスト>

マルグリット : スヴェトラーナ・ザハロワ
アルマン :   デニス・マトヴィエンコ
アルマンの父: ゲンナーディ・イリイン
伯爵 :    ロバート・テューズリー
プリュダンス : 西川貴子
ガストン :   イルギス・ガリムーリン
ナニーヌ(召使): 神部ゆみ子
村人 :    小野絢子、井倉真未、福田圭吾
ジプシー :  川村真樹
メヌエット :  マイレン・トレウバエフ、八幡顕光
アラブ :    真忠久美子、中村誠
チャルダッシュ: 遠藤睦子、西山裕子、丸尾孝子
タランテラ :  高橋有里、吉本泰久、江本拓

初日らしく、チケット完売のようだったが、私としては行ってよかったのか、何とも。
もちろん、ザハロワは素晴らしかった。彼女独特の手足の美しいフォームは、書くまでもなく、新国の他のダンサーとは際立っている。マトヴィエンコも相変わらず巧いし、(しかし髪型って、どうなっちゃってるの?)テューズリーは伯爵の役では勿体ないくらい。後日アルマンを踊るようだから、(私は見ないけど)乞うご期待、というところか。アルマンの父のイリインもとってもよかった。日本人ダンサーが良くなかったというわけではない。
やはり、ノイマイヤーの「椿姫」が、私にとっては、今まで見た全幕バレエのトップ5に入っているので、どうもこちらは分が悪いのだろう。生で観たノイマイヤー版「椿姫」の感動は、ビデオ版よりずっと素晴らしかった。ビデオ版は劇場での撮影ではなく、映画のような作りなので、やや感動が薄れる。

牧版は、音楽こそベルリオーズを使用しているが、ほとんどオペラに近いようで、アラブやチャルダッシュなどのディベルティスマンが入るのもオペラと同じらしい。(最初、何でこんなのがあるの?と思ってしまった) 私はオペラは1度だけ大分昔に観たきりなので、それがあったかどうか、定かではない。演出により違うのかもしれないが、とにかく、最後が原作にない、アルマンと父がマルグリットの臨終場面に立ちあうということだけは記憶にある。オペラの椿姫自体は悪くはないだろうが、なんだか今回の振付や全体の構成が平凡なように感じてしまった。2度目は多分見ないのではないだろうか。

モネを模したようなスピナッテリの舞台美術も、美しくて好きな絵もあったが、マルグリットが大きく描かれた紗幕は、(わざとそのように描く手法もあるけれど)頭と体のバランスが悪くて、どうにも好きになれない。彼女は人間を描かない方がいいのではないかと思う。

2階席だったので、床にあたる照明の変化が場面の内容を反映していて素晴らしかったことと、アルマンの父とマルグリットのやりとりが印象的で、イリインの好演が光っていた(私には伯爵のテューズリーよりいい印象だった)ことは付け加えておこう。



DDD12月号

DDD12

DDD12月号
の特集は、ニーナ・アナニアシヴィリへのインタビュー、映画「ヘアスプレー」、森山開次など。DVDの付録付き。

ニーナへのインタビューは、既出のものではなく、日本公演を終えての感想や、今後のビジョン、娘のエレーナちゃんへの思い等が語られている。それにしても、解説の「親しみやすい大輪のバラ」とは、まさに言い得て妙!DDDには珍しく7ページにも及ぶ特集で写真もタップリ。

森山開次のインタビューも3ページ+写真大小多数。「奇跡の運河」という不思議な絵は彼の作品なのだろうか。タイトルのみで解説がない。自作絵本に「Namida君」というのがあるらしいから、そうなのかも。色々な才能の持ち主のようだ。今度愛知でもやるインヴァルピントとの公演「Hydra」(ヒュドラ)についても語っている。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」がモチーフになっているという話は以前もチラシで知って書いたが。

ミュージカル映画「ヘアスプレー」の紹介と、トレーシー役のニッキー・ブロンスキー&BFリンク役のザック・エフロンのインタビューもある。この映画は先日見たばかり。ヒロインのニッキーがとにかくキュート。60年代のやや暢気な時代性は感じるものの、ダンスシーンが多く、楽しい。かのトラヴォルタの変装メーク&怪演も見もの。

その他、黄豆豆のインタビューもあるが、雑誌だけでなく付録のDVDに彼がポーズをとる映像が入っているし、先月号の表紙を飾ったペレンの映像のメーキングも入っている。その他、ダンス・レッスンシーンやTRF等の映像が入っている。こういう付録は今までなかったので嬉しいが、一つ一つが少し短いのと、タイトルが見つけにくいのが難点かな。