ルジマトフのすべて 2008

7月2日・3日 19:00〜 新宿文化センター

下に書いた通り、なかなか演目が発表されず気を揉ませた公演だったが、直前のドムラチョワの怪我による演目変更など、やむをえない事情があったのだろう。プログラムには6月15日現在の演目が載っており、ドムラチョワ&イシュクの「ドン・キ」から、イシュクだけの演目「ゴパック」に変わったのを補うために「メディア」と「阿修羅」が急遽付け加えられたらしく、この二つは載っておらず、補足のプリントが付いていた。

第1部
☆「海賊」よりパ・ド・ドゥ   ヴィクトリア・クテポワ マイレン・トレウバエフ
音楽:R・ドリゴ  振付:M・プティパ、V・チャブキアーニ

マイレンは新国の舞台ではお馴染みのダンサーで結構人気があるのだが、いつもゲストダンサーの日ばかり見ているためか、私にはいまひとつ印象の薄いダンサーだった。(マイレン、ごめん)
今回は、ファルフの得意演目「海賊」で、相手役がクテポワとは、やりにくいのではないかな〜と思ったが、そんな心配は無用だったようだ。衣装も上半身裸にエメラルドグリーンのパンツ、ベルト部分は白とシルバーに赤のラインストーンと、ファルフのとは全く違い、振付も大分違っていて、ファルフの幻影を全く見ずにすんだ。長身のクテポワと踊るのはやりにくそうにも見えたが、さわやかで超絶の強靱なアリだった。

思えば、「海賊」のアリは、こういったタイプ(カレーニョしかり、コレーラも、マリインスキーのサラファーノフでさえ)が普通で、むしろファルフのような美しい(美し過ぎる)アリというのはまず他には絶対と言っていいほど存在しない。あれは彼だけのものなのだ。そして、もはや生で見ることはかなわない、永遠に封印されてしまったのだなぁと、終わって大分たってからしみじみ思い複雑な気持ちになった。これからはもう少しマイレンを意識して見ようと思う。それにしても、新国では「海賊」はやっていないよね?彼が踊れるのだからレパートリーに加えたらいいのに、というような気もする。

クテポワは2度目だが、昨年ほどは緊張していなかったと思うが、初日は、フェッテの最後でぐらついていた。ユマ・サーマン似の美女で、細身の長身で首や手足が長い。ただ、普通だったらこうしたガラで踊るレベルには達していない。もう少しテクニックが向上すればいいダンサーになるかもしれないが、マリインスキーはダンサーの層が厚いのだなぁ、と思う。マハリナやオブラスツォーワが踊るのを見たら、ソリストとコール・ドの差は歴然というところか。

☆「ゾルバ」   イルギス・ガリムーリン
音楽:ギリシア民族音楽  振付:N・アンドローソフ

どこかで聞いたようなギリシア民族音楽をバックに、ステージを所狭しとダイナミックに踊ってくれた。
振付のアンドローソフは、モイセーエフ・バレエの出身で、ガリムーリンの友人。友人の依頼で、ギリシアのヒーローを題材にしたこの作品を振付けたそうだ。ガリムーリンは、ガラなどで90年代からお馴染みのダンサーだが、もともとガッシリしていたが、いつのまにかしっかり貫禄がついてしまったなあ。昨年2月に名古屋で久しぶりに見て、ものすごく驚いたので今回はさほどショックではなかったが。(笑)

☆「メディア」   ロサリオ・カストロ・ロメロ  リカルド・カストロ・ロメロ ジェシカ・ロドリグエズ・モリナ          エーサー・ゴンザレス−タブラス・メネンデス ホセ・カストロ・ロメロ ホセ・トレス・ムレーロ
音楽:M・サンスラ  振付:R・C・ロメロ

お馴染み「王女メディア」の物語をリカルドが振付たもの。ストールを両手で高く掲げ、下手から登場するロサリオの存在感は相変わらず強烈で、狂気の王女メディアにぴったりかな、と思ったものの、この場面は、「メディアの夫イアソンとコリントス王クレオンの娘の結婚式で、恋人達の喜びとエクスタシーに、その場面を傍観するメディアの怒りと嫉妬の感情が混ざり合う様子を音楽とダンスで表現している」と解説にはあるが、う〜ん、どれがイアソンやら娘やら、はたまたクレオンなのかよくわからず、私にはただのフラメンコにしか見えなかった。ロサリオのピンクのラメ入りドレスが美しかった印象だけ。

☆「ゴパック」   ヴィクトル・イシュク
音楽:V・ソロヴィヨフ=セドイ  振付:R・ザハロフ

ガラのお馴染みの演目。白い上着に赤いパンツが眩しい。よくあるような広がったタイプのパンツではなく、やや細身なのが、小柄なイシュクには合っているようだ。超絶技巧を要する演目で、イシュクは最後の手をつかない横とんぼ返りなど素晴らしいテクニックを見せてくれたが、短くてあっという間に終わってしまった。2005年来日時の「くるみ」では素敵な王子様ぶりを見せてくれたのに、昨年はけがで大きな役は踊っていなかった。このガラの素晴らしい舞台を見る限り、怪我からは完全に回復したようだ。もともと、ハンサムな顔立ちで、ドムラチョワとのグラン・パ・ド・ドゥはさぞ素敵だろうと期待していたので、「ドン・キ」が見られなかったのはとても残念だった。もう少し早かったら代役も立てられたかもしれないのに。また近いうちに是非来日してほしいものだ。

☆「シエスタ〜Siesta〜」  ユリア・マハリナ
音楽:G・カサド  振付:V・ロマノフスキー

今回はブルーのシンプルなロングドレスが美しい。世界初演の作品。「カルメン」に合わせて、スペイン風で来たか?マハリナさん。もちろんよく知られたスペイン語で「午睡」の意だが、振付家は「『人が自分自身と向き合う時間』ととらえ、そのなかで孤独な女性の叶えられない望み〜成就しない恋を描いている」そうだ。ふ〜ん、そうなんですか。彼女らしく、ロマンティックかつドラマティックな踊りではあった。最後に横たわるところはまさに「シエスタ」かな、と思ったが、ピクッと膝を立て顎を上げるところは女性の憧れや失望を表しているのだろうか? まぁ、ロシアの振付家だし。音楽はスペインだったが。とにかく、マハリナはエレガントで美しかった。

☆「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」  エヴゲーニヤ・オブラスツォーワ イーゴリ・コルプ
音楽: P・チャイコフスキー  振付: G・バランシン

バランシン作品では、というより、ガラ公演でよく見る演目のうちで最も好きなものの一つ。
ただ、女性ダンサーに関しては、2003年の「美神」でのヴィシニョーワ以上のものをいまだに見たことがないので、結構好きなオブラスツォーワといえど、分が悪いのであった。でも、スピード感溢れる動きの中にも彼女らしい柔らかさがあり、これはこれでなかなか良かったと思う。昨年のロシア2大バレエ団ガラのよりはずっと好みだった。

コルプは、初日は何だか彼らしさが感じられず、お疲れ?と思ったが、2日目はよかったと思う。
ただ、最近妖しい雰囲気の演目が多かったので、あまりにもノーブルな踊りを見るとかえって違和感があるのだろうか、何となくコルプらしくないような、本人も何となく踊りにくそうに見えたのは気のせいだろうか。テクニックは申し分ないのだけれど、オブラスツォーワとは、いとも不思議な組合せだ。それにしても、あの時ヴィシと踊っていたのは彼だったのに、全く記憶にない。恐るべし、ヴィシ。できるものならもう一度見たいものだわ。

☆「阿修羅」   ファルフ・ルジマトフ
音楽: 藤舎名生  振付: 岩田守弘

昨年に続き2度目なので、また見られて嬉しい。実は前回は、「ボレロ」よりこっちの方が好みだったのだ。ただ、当初の予定になかったせいか、前回の白いいかにも「仏教の世界」な衣装と違って、赤いパンツだったので、印象がやや違う。前背景にあった「阿修羅」の文字はなく、青いバックに赤いパンツが浮かび上がる。照明が暗いので、彼の深い眼窩が黒く、骨格が感じられ、幽玄な雰囲気というよりも、鬼気迫る感じがする。

いつも思うのだけれど、リズムのあるダンスではなく、こういう能のような静的な振付を覚えるのは本当に大変なんだろうな。一度覚えてしまえばもう身体に染み付いているのだろうか。さすがプロのダンサーなんて感心したりする。でも微妙に違っていたかもしれない。最後にバックに「阿修羅」の文字が浮かび上がり、昨年より、この演出の方が良いと思った。

第2部

「カルメン」
ド ン ・ ホ セ : ファルフ・ルジマトフ
カ ル メ ン : ロサリオ・カストロ・ロメロ
エスカミーリョ : リカルド・カストロ・ロメロ
ミ カ エ ラ : ユリア・マハリナ
死 : ホセ・カストロ・ロメロ
クラシック・ダンサー:  ヴィクトリア・クテポワ  イルギス・ガリムーリン  マイレン・トレウバエフ
スパニッシュ・ダンサー : ジェシカ・ロドリグエズ・モリナ エーサー・ゴンザレス−タブラス・メネンデス  ホセ・トレス・ムレーロ

音楽: G.ビゼー   振付: R.C.ロメロ

真っ暗な中、まず真っ赤なドレスのカルメンが照明に浮かび上がり、椅子にかけたままセクシーに踊る。音楽はオペラの「カルメン」と同じものが使われているが、時折フラメンコ調の曲も流れていた。
下手にバーが置かれ、クラシック・ダンサー達がバーレッスンをしている。上手ではスパニッシュ・ダンサー達の踊り。これが交互に照らし出され、クラシックとフラメンコのコラボのような設定なのか、そういう舞台のリハーサルのような雰囲気になっている。

ダンサー達が練習を終えかけた頃に、下手よりカルメン登場。ドレスの裾を持ち、セクシーに踊る。その様子に、ホセは心を惹かれたようだ。バレエシューズを(フラメンコ用の?)黒い靴に履き替えたホセがゆっくり彼女に近づいていく。カルメンも自分の魅力を知り尽くした女の妖しさを振りまいて彼を誘惑する。この辺はやっぱりドキドキしてしまう。ロサリオは本当にセクシーで、バレリーナ達と違い、豊満な魅力がある。ファルフも、スリムな身体に黒の衣裳が似合って、本当にセクシーな二人だ。

舞台を片づけて、ステージの準備が始まる。衣裳掛けのバーから、各ダンサー達が自分の衣裳を取っていく。(この辺、ちょっと、グルジアバレエの「白鳥」を思い出したりする) エスカミーリオは白い上下を掴み、ホセを牽制する。

男達が低いテーブルをいくつも並べ、女達はその周りに黒に金の刺繍のついたストールをかけた椅子を並べる。4人ともステージ衣裳に着替えているが、そのドレスがとても素敵だった。スペインの二人はオレンジ色に青や赤の混じったドレスに、オレンジのスペイン風の大きな髪飾り(ちょっとプラスチックぽいのが気にはなるが)、クテポワは紫系、マハリナは深い青緑と黒で、放射状の刺繍が美しかった。4人ともデザインは少しずつ違うが、糸状の飾りが印象的で素敵。

カルメンがテーブルの上で踊り、男性二人に横から支えられて降りる様子は女王様然としている。
エスカミーリオが白い衣裳に、白の大きなマントを翻して踊る。カルメンの赤、エスカミーリオの白、ホセの黒が対照的だ。だが、リカルドには悪いけれど、彼のエスカミーリオにはカルメンが惹かれる理由が感じられない。兄妹というだけでなく、色男のエスカミーリオを演じるにはやや説得力がない。彼のフラメンコのステップはスゴイとは思うが。
ミカエラを演じたマハリナはやはりよかった。でも彼女に悪いと思うものの、カルメンへの激しい愛を踊るホセは本当に素敵過ぎてどうしようもない。

時折、「死」を表す仮面の男が登場し、カルメンを威嚇する。でも彼女はそんな自分の運命を知り尽くしているかのように堂々としている。
最後は、オペラと同じように、闘牛場の外でホセがカルメンを刺すのだが、ホセ=ファルフの何と悩ましく美しいことか。彼女の腕を胸につけるところ、彼女の顔を両手で包むように抱くところ、憎い、でも愛しくてたまらない女、男を惹きつけてやまないファム・ファタールに翻弄され、殺してもなお愛さずにはいられない男の悲しみが伝わってくる。

「カルメン」はオペラはもちろん、スペイン国立バレエ団のフラメンコによる「カルメン」や、熊川哲也のプティ版「カルメン」など、色々見ているが、これほどホセの悲しみがひしひしと迫ってくる舞台は他に知らない。やはりファルフの圧倒的な表現力、その美しさに勝るものはないと(ファンだからよけいに)思う。

ただ、やはりこれで1時間は長いな〜と思う。正直言って、私はフラメンコは好きじゃない。フラメンコの舞台を見ていると眠くなってしまうほどだ。途中のフラメンコダンスなど増長に感じてしまうのだった。他の演目が少し淋しかったので、これくらいないと時間が短く感じられてしまうのかもしれないが。結局ファルフ自身はフラメンコは踊らないのに、フラメンコとバレエのコラボはいつまで続くのだろう。(これはルジガラがいつまで続くのだろうという疑問と同じになるのだろうか。と思うと、口にするのが恐ろしいのだが)

それにしても、あれで45才とは。本当にいつまでも美しい人だわ〜
できることなら来年も「ルジマトフのすべて」が見られますように。

ルジガラ演目

今日やっと光藍社のサイトにルジガラの演目が発表された。こちら

〈プログラム〉
第1部
「海賊」よりパ・ド・ドゥ   ヴィクトリア・クテポワ マイレン・トレウバエフ

「ゾルバ」   イルギス・ガリムーリン

「メディア」   ロサリオ・カストロ・ロメロ  リカルド・カストロ・ロメロ ジェシカ・ロドリグエズ・モリナ   エーサー・ゴンザレス−タブラス・メネンデス ホセ・カストロ・ロメロ ホセ・トレス・ムレーロ

「ゴパック」   ヴィクトル・イシュク

「シエスタ〜Siesta〜」  ユリア・マハリナ

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」  エヴゲーニヤ・オブラスツォーワ イーゴリ・コルプ

「阿修羅」   ファルフ・ルジマトフ

第2部

「カルメン」
ド ン ・ ホ セ : ファルフ・ルジマトフ
カ ル メ ン : ロサリオ・カストロ・ロメロ
エスカミーリョ : リカルド・カストロ・ロメロ
ミ カ エ ラ : ユリア・マハリナ
死 : ホセ・カストロ・ロメロ
クラシック・ダンサー:  ヴィクトリア・クテポワ  イルギス・ガリムーリン  マイレン・トレウバエフ
スパニッシュ・ダンサー :ジェシカ・ロドリグエズ・モリナ
エーサー・ゴンザレス−タブラス・メネンデス
ホセ・トレス・ムレーロ

タイム・スケジュール 第1幕 約60分 (休憩20分) 第2幕 約60分

クテポワがマイレンと踊るのね。ガリムーリンも出るって、前に出てたっけ?
ルジさんはまた「阿修羅」も踊るのか。もう一度見られて嬉しい。
オブラスツォーワとコルプの「チャイパド」も楽しみだ。
カルメンは結構長そうだ。
光藍社に問い合わせしたら、「2時間の予定です」と言っていたけど、正味時間が2時間で、休憩も入れたら終演は9時半近そうだ。3日はその日のうちに帰れるか、心配になってきた。

ともかく、明日は上京。公演が楽しみ。

Happy Birthday to you, Farukh!

  bouquet
 
お誕生日おめでとう、ファルフ・ルジマトフ様。

もう45才ですか。
でも今年ももうすぐ会えますね。

待ちに待ったルジガラなのに...
まだ光藍社のサイトには「カルメン」の情報しかない。

そして、もう1年ぶりというのに
またしても私は1年で1・2位を争う忙しい季節。

でもあなたに会うために、仕事頑張ります。
ロクに更新できないこの頃だけど、せめて薔薇の花束を。

でもファルフに似合うのはこっちの白い薔薇かもしれない...

  white rose

DDD4月号にルジマートフのインタビュー!

DDD4
 
DDD4月号に「ファルフ・ルジマートフ インタビュー」が4ページにわたってある。が、写真が3ページもあり、1ページ目はルジさんの顔のドアップ写真、2ページ目がシェスタコワ(?だと思うが)とレッスンしているルジさん、4ページ目が腕組みするルジさん(渋いっっ!)

インタビューの内容は大体以前のものと大差はないが、今年1月の来日公演の時に行ったもののようだ。日本公演では、ほとんどの公演を客席から観ていた、とあり、その姿を目撃した人もいたようだが、私は全く気がつかなかった。やはり、芸術監督には大きな責任が伴うので、前より厳しくなった、ともある。

ゲストのコルプのことは高く評価しており、これからも一緒に仕事をしていきたいと言っているので、また彼がゲスト出演することもあるかも。彼は「世界で最も興味深いダンサー」だそうだ。確かにそうかも。

レニングラード国立バレエは女性ダンサーが充実している、と言っているが、確かにその通りだと思う。「若手男性の、コリパエフ、ヤフニューク、プロームはもっと伸びていくと思う」とも言っているが、プロームは確かにその通りだが、コリパエフとヤフニュークはどんなダンサーだったか、全く記憶にない。新しく入団したダンサーなのだろうか。ルジさんが出演しなくなって、今年はレニ国の公演を観る回数が減ってしまったせいか、ピンとこない。これからもっと伸びてくれば、ソリストなどで観る機会も増えるかもしれない。

そして、7月の「ルジすべ」の情報が。

*ルジマトフのすべて 2008
7月2日(水)・3日(木) 19:00開演 新宿文化センター
S席¥13,000 A席¥11,000
3月28日(金) 前売開始予定

ルジマートフ、ロサリオ・ロメロ、リカルド・ロメロ他出演

インタビューの中でも、リカルド・ロメロ振付の新作「カルメン」を踊る(これはチラシにも出ていたが)ほか、昨年初演した「阿修羅」も予定していると言っている。またあの阿修羅が観られるのね、うれし〜
今はレッスンする時間がなかなかとれないが、7月にはもっと身体を作り込んで来るとのこと、楽しみだ。(しかし、膝の手術はどうなったの〜?)

Dance Magazine4


ダンマガ4月号にも、小さいが、オーチャードホールでのカーテンコールのルジさんの写真が出ている。
こちらはやはりコルプの写真が多い。「ドンキ」「バヤデルカ」「白鳥」など、1月の公演を思い出す。表紙は「眠り」のシェスタコワ。彼女がダンマガの表紙を飾るのは初めてのような気がする。彼女のオーロラはまだ観たことがないので、是非観たいものだ。今号の特集は「眠れる森の美女」で、オーロラを踊るニーナやデュランテ、プラテル等に混じって、レジュニナと踊るルジさんも。

その他、バーミンガムロイヤルバレエ、吉田都、早くも「空白に落ちた男」など、観た公演の写真がアップされているのが嬉しいし、ローザンヌ国際バレエコンクールの様子もある。

ファルフのDVD「Ballet miniatures」

Ballet miniature

HMVから、予約しておいたファルフのDVDがやっと届いた。
「Ballet miniatures」に、「エジプトの夜」が入っているのだ。主演:ファルフ・ルジマトフ&アルティナイ・アスィルムラートワ。 ルジマトフファンなら、ほとんどの人が知っているこの映像。

パイオニア製LD/ビデオ「ルジマトフの肖像」は、とっくに廃盤になっていて、知った時は入手不能だった。東京文化会館の音楽資料室でこのLDを視聴した時、B面に入っていた「エジプトの夜」は、初めて知って、若くて美しく色っぽいファルフの姿にショックというか、めっちゃ萌え!(笑) キーロフ版「ドンキ」でテレホワさんのキトリを相手にバジルを踊るファルフは、若くて可愛い、という印象であったが、こちらは役柄のせいもあり、ものすごーく色っぽい25才のファルフ。(1988年製作だから) どっちの方が若いのだろう。やはり「ドンキ」だろうか。クレオパトラを演じるアルティナイも冷たいが美しく、女王としての気品、威厳に満ちている。

このストーリーについては、サンドラさんのサイトにバレエ・リュスで上演された時の状況が詳しく美しくアップされているので参考になる。
http://pinkchiffon.web.infoseek.co.jp/Barbier-Nijinsky7.htm

当時のイダ・ルビンシュタイン@クレオパトラ、ミハイル・フォーキン@アムーン、アンナ・パブロワ@許婚、ニジンスキー&タマラ・カルサーヴィナ@奴隷は何という豪華キャストだったことだろう。ジョルジュ・バルビエのイラストも残っていて当時を想像する助けになるだろうか。
クレオパトラ

しかし、このDVDは、やはり映像にキレがなく、鮮明ではない。ストーリーも荒唐無稽だし、この演目を現代再現したとして、お客は見るのかな?というかなりキワ物的な作品だ。にもかかわらず、メインキャストはもちろん、コール・ド・ダンサーに至るまでの出演者の美しさはどうだろう。最近のスリムなダンサーよりも心なしかふっくらして女性らしいダンサーが多いし、ファルフのアムーン、アルティナイのクレオパトラに勝るダンサーは現在のマリインスキーには見あたらないと思う。字幕が全てロシア語なので、許婚のダンサーの名前がハッキリわからないが、(アラ・ドミトリーェワなのかな?)美しくて可愛らしい。(こんなに可愛い許婚がいるというのに、死を代償にしてもクレオパトラを求めたアムーンを演じるルジさんってばもう〜 表現する言葉が見つかりませんわ) ちなみにクレオパトラの女奴隷を演じているのが、ファルフのパートナーを何度も務めたマルガリータ・クリーク。

まぁ、私としては、作品全体の出来はともかく、若く美しく妖しい(?)ルジさんに満足なので、このDVDが作られたのは嬉しいことだ。できれば、「肖像」のA面の方もDVD化してほしいものだが。(というか、光藍社の日本公演の全幕物も、演目毎にDVD化してほしいな〜)

<キャスト> (ケースの裏にキャストが英語で書かれているのに気づいた)

 クレオパトラ: アルティナイ・アスィルムラートワ
 アムン: ファルフ・ルジマトフ
 許婚ヴェロニカ: アラ・ドミトリーェワ
 女奴隷アルシノヤ: マルガリータ・クリーク
 奴隷: ウラジーミル・キム
 アントニー: ワジム・デスニツキー
 司祭: ヴァレンチン・オノシコ

 キーロフ・バレエ
 ワガノワ・バレエ・アカデミー生徒

振付:ミハイル・フォーキン
音楽:アレンスキー

レニ国HPに芸術監督ルジマトフのコーナーUP

レニングラード国立バレエのHPに「芸術監督(ルジマトフ」)のコーナーがアップされた。
監督の一日の仕事のスケジュールなど、ルジさんの精力的な仕事ぶりが見られて嬉しいのだが...気になるダンサーとしての彼の今後は、インタビューで語られている。

今後クラシックを踊ることはかなり減るだろうというのは最近の公演の様子から予想していたのだけど(だから今年の1月は大盤振舞いというか、彼のクラシックバレエのレパートリーの総括のような、4演目もの公演をやってくれたのだろう。これを全公演見られたのは幸せだったとしか言いようがない)やはり淋しいという気持ちは否めない。

「もう全く踊らない」と断言しているわけではないが、マリインスキーではとっくに踊らなくなっていたし、新しい自分の劇場(ミハイロフスキー劇場)でも踊らないと言っていたのだから、ここ1〜2年は日本のファンのために特別に踊ってくれていたのだし、もしかしたら、日本でだけは、と期待するのは(自分も含めて)ファンの気持ちとしてはしかたないのだろうけれど、やはり、「プロのダンサーとして中途半端な仕事をすることは自分に許せない」という彼の気持ちは十分納得できるし、それだからこそ長年ファンをやってきたのだ。 

ここ2〜3年の公演で、ケガなどの不調な場面や、ちょっとしたミスにハラハラしてきたファンとしては、クラシック・ダンサーとしての幕引きがそう遠くないということは(認めたくはないけれど)感じていたのは事実だ。徐々に感じてきたことだから、大きなケガなどでいきなり引退せざるをえなくなったダンサーとは違って、何とか自分自身の中で「諦め」との折り合いもつけられないことはないのだが...ファンというのは貪欲なものなので。(笑)

ただ、このインタビューが(日本のファンを意識して、招聘元が脚色したものではなく)彼の言葉そのままなら、彼に踊れる演目は(純粋クラシック以外にも)たくさんあるのだから、まだまだ引退などではなく、彼らしい公演(「ルジマトフの《現在の》すべて」みたいな)はやってくれるのだろうと思う。
「自分のフォームを保つためのレッスンは別にします」と言っているし。(一体何時間働いて、何時間睡眠取っているの〜? 健康に注意してね〜)

彼の「ファンにとって大事なのは、何を踊るかではなくて、踊り手の個性ではないでしょうか。肉体には限界がありますし、それは神様の決めることですから(笑)。日本のファンがクラシックを好きだということは承知していますが、わかっていただきたいと思います。これから何を踊るかは、日本側のスタッフとも話し合って考えていきます。」という言葉を今は信じるしかないだろう。 

まだまだ見せてくれる(見たい)レパートリーは(クラシックではなくとも)十分あるのだから、来て踊ってくれたら私としては満足。それに、椅子に座ってダンサー達のリハーサルを眺めているルジさんの姿は、まだ見る側ではなく、見せる側として十分通用する美しさなんだから。
そのためにも、早くお膝を治して下さい。整形外科の手術は若い方ほど、早いほど効果的なのよ。

来た〜!! ファルフのポストカードセット♪

Ruzimatov@Bolero

レニングラード国立バレエ・セット券特典のポストカードがやっと来た。
5枚セットで、全部「ボレロ」の写真。今年の「ルジすべ」プログラムの表紙と同じものが1枚、(客観的にはこれが1番素敵。「素敵」と言える時点ですでに客観的とはいえないかもしれないが)《爆》 上の写真と同じのが1枚、プログラムの、その写真の次の次のページと同じ(ベストを着ている)のが1枚。あとの2枚は、どこにもない新バージョンので、1枚は連続写真(ていえばいいのかな?ストロボ写真?)になっている。(背中の筋肉がスゴイ) これだけ髪型が違うけど、背景が暗くて、結んでいるのか、別の時期に撮ったものかちょっと不明。

バックが、(プログラムと同じなんだけど)セピア色っぽい黒で、カラーなのにモノクロっぽくて、すごくセクシー♪ あら、こんなところにもタトゥー入ってたのね、と左後肩を見てビックリ。
裏には(ポストカードとしては表になるのかな)"Artistic Director of Ballet"の肩書きも。
写真がすべて、「ハイファッション」の秦 淳司さんのもの、というのも、稀少価値だろうか?

ますます来年の公演が気になる。今年の冬が4演目出演と、あまりにも大判振舞いだったので、もう最後ってことなのかしら、と半分諦めがついたようなものなのだが、「ドンキ」は入っていなかったし、来年見られたら本当に最後でもしかたないと思うんだけど。 せめて、膝の手術の経過でもわかればね〜 (と、ファンの欲望は果てしなく続くのであった)

ファルフのインタビュー

ロシアバレエ通のユーラさんに、ファルフのインタビューが載っているサイトを教えていただいた。(ユーラさん、ありがとうございます)

http://www.spb.timeout.ru/text/display/85916/

メーク中(?)のファルフがすご〜くセクシーで素敵。♪  でも、これ、最近のじゃなくて若い頃
よね〜  何の演目かな〜 ターバンみたいだからソロルだろうか。

今回初めてロシア語の翻訳サイトを使ってみたが、ロシア語を英語に直したものを意訳したので、(超意訳)違うところがあるかもしれない。その場合はご容赦を。(何しろ、ロシア語は全くの門外漢で、アルファベットも完全には覚えていない。私のわかるロシア語は、《カタカナで》「スパシーバ」「ハラショー」「ダー」「ニェット」くらいというレベルなのだから。老後のボケ防止に本格的にロシア語の勉強をしようかと真剣に思い始めたところ)(笑)

********************************************************************

Q:ファルフ、新しい称号に満足ですか?
A:気持ちは複雑だけれど、ソリストとしてのキャリアに幕を下ろそうと思っていたから、芸術監督の仕事は興味を持って引き受けました。新しい活動には、おだやかに自然に移行できました。

Q:同じ(?)活動をする覚悟はできていましたか? (この質問の訳があやしい)
A:バレエダンサーは遅かれ早かれいずれは別のことをしなければならなくなるものです。

Q:踊ることに疲れたのですか?
A:2年前だったら、ソリストとしてのキャリアを全うしなければならないと思ったでしょうが、昨年自分の中で何かがすっかり変わってしまいました。それは疲れたということになるのでしょう。(マリインスキーを)去って、外側から見つめ、休むのが必要な時が来たのだと思います。

Q:でも、また戻って踊ろうという考えを捨ててはいないでしょう?
A:それはあるかもしれませんが、でもクラシックのレパートリーではありません。フラメンコは踊り続けたいと思います。他のプロジェクトもあるけれど、今シーズンではありません。

Q:でも、あのカンパンニー(マリインスキー)へ出るのは皆が夢見ることなのでは?
A:それは早すぎる話です。あのカンパニーでの教育活動も創造活動もありえません。そういったことには興味はありません。

Q:監督の経験はすでにあったのですか?
A:13年前にキーロフのオレグ・ヴィノグラードフが、私に補佐を依頼しました。
その地位には長くおらず、踊ることに力を入れ、結局その仕事は断りました。その当時はそういった活動は両立できないとわかったのです。

Q:リーダーとして大切なことは何ですか?
A:どんなリーダーもその道のオーソリティーでなければなりません。私はそのように進み、学び、教師や芸術家とのコンタクトが可能だとわかりました。これはとても複雑なことなのです。

Q:あなたはマリインスキー劇場を追い越し、引き離そうとはしないのですか?
A:マリインスキーは何者にも負けたりしません。あれは劇場の中の帝王なのです。過去もそうだったし、現在もそうだし、未来においても最高の劇場なのです。
ミハイロフスキー劇場は新しいまた別のレパートリーのために創られたものでしょう。「白鳥の湖」「バヤデール」「ジゼル」「眠れる森の美女」(だと思うが?「秘かな美」?じゃわからない)等は傑作ですが、何か新しいもの、コンテンポラリーな作品を創ろうと思っています。

Q:でも、あなた自身振付をやってみようと思わないのですか?
A:いいえ、全然。振付家が必要なら雇います。私自身は全く振付しようなどとは思っていません。

********************************************************************

以上、よくわからないところは適当にとばしてしまったが大意はわかるかな?
(まちがいに気づかれた方、ご指摘下さい)
今までのインタビューと大差ないような内容だが、9月9日の記事だから、最新のインタビューなのだろう。それにしては、膝の手術のことには何も触れていないのが気になる。
来年1月も日本で踊ってくれないなんてことになったら、泣くに泣けないわ。
ファルフ君、よろしくお願いしますね〜 
あ、でも無理はしないでね。(^^;)

(今日は改行が変で何度も書き直し、ストレスが溜まった。なんで〜?)


雑誌「high fashion」のスタッフがルジガラに

high fashion10-2007

隔月刊なので今頃になってしまうのだが、「high fashion」10月号の編集後記によると、去る7月2日の「ルジすべ」公演に、スタッフ達が招待されたそうだ。4月号にルジさんの素敵な写真満載してくれたスタッフ達。公演の素晴らしさに感激したそうだが、仕事で行けない人もいたそうだ。2日の最終日ならきっと凄かったようだから、私も仕事で行けなかったので、見られなかった人達の残念な気持ちがすごくよくわかる。とはいえ、最初の2日間は見られたのだから、あまり文句を言ってはいけないのだが。

それにしても、(いつまでも言っているが)今回の日程はファンにとってはちょっと酷かった。日曜日を最終にしてほしかった。まぁ、新宿文化センターのリニューアル工事等で会場を抑えるのが難しかったのかもしれないが。大体あの会場自体不便なのだから、同じくらいの規模なら国際フォーラムCの方がずっとマシかもしれない。

等と言っているうちに、明日はもうマリインスキー&ボリショイ合同ガラ。どれほどこの公演を楽しみにしていたことか。初日は無事終わったようなので、残りの公演もキャストにケガなどないよう、最後まで無事に踊ってくれることを望んでいる。


松本路子写真展

余談だが、公演2日目の午前中に松本路子さんの写真展に行った。
04年お台場で開かれた「瞑想する身体」展に行っていたし、その日が最終日だったので、美術展に行く予定を変更し、久しぶりに会った(ルジファンでもバレエファンでもない)学生時代の友人に無理を言ってつきあってもらった。

中野のギャラリーはこじんまりとした静かな会場で、サンクトペテルブルグの風景数点の他に、オクサナ・クチュルクの写真が5点、ルジマトフの写真が7〜8点。前回の写真展の写真もあったが、昨年夏に撮影したものは髭つきのラスプーチン・モードであった。楽屋と、公園のベンチに寝ているのと座っているファルフ。ベンチがむっちゃくちゃ長い。日本だったらこの半分か3分の1だ。

松本さんご本人も会場にいらして、お話を聞くことができた。
彼女が言われるには、芸術家は(というか、ダンサーは)写真を通してその本質が現れてしまうということ。前回のお台場での写真展では、ずいぶんバレエファンの人からそう指摘されたそうだ。写真はごまかしがきかないというわけだ。そして更に、あの写真展で、写真ファンの人の間にもルジマトフ・ファンを増やしたそうだ。見る人を、こんな人のバレエを見てみたい、という気持ちにさせるそうだ。さすがファルフ。
以前から写真やインタビュー嫌いと言われていたが、最近少し変わってきたのか、「彼にはきっとすっぽかされるよ」と周りの人に言われていたのに、サンクトではちゃんと約束通り現れて、「どこで撮りましょうか」と積極的だったそうだ。

松本さんの写真は、瀬戸さんとは違って、舞台写真ではない。それでも、その中の佇まいに彼のダンサーとしての本質が写し取られるというのは、やはり彼女の写真の芸術性が素晴らしいからだろう。同時に彼が素晴らしいダンサーであることの証明でもある。(それはとっくにわかっているのだが)
この間の雑誌「High Fashion」の写真も本当に素敵だったが、ファルフは最近自分を残すことを気にかけるようになったと思えるのはやはり年齢のせいもあるのだろうか。バレエファンとしては、もっとビデオ等の作品で残してほしいと思うのが本音なのだけれど、被写体としてはとにかく美しいので、こうした写真ももっと見たいもの。(要するにファン馬鹿ですが)

普段なら、ギャラリーなどで主催者に話しかけられたりするのは大変苦手で、そっと見たらこっそり逃げ出したくなるのだが、今回は友人と一緒だったせいか、お茶などもいただき、図々しくお話を伺ったりしてしまった。会場には彼女の写真集も売られていた。例のダンサーの写真集、Amazonなどではユーズドしかなくて、手に入らないと思ってそれを買ってしまったのだが、ちゃんとあった。まぁ、ユーズドでも新品同様だったからいいんだけど。松本さんはファルフの公演の最終日に見に行く予定と仰っていた。

友人が「晴れたらバラ日和」を気に入って買ってくれたので、無理に一緒に行ってもらったのだが喜んでもらえてホッとした。(モノクロ写真も結構好きということだし) この本は本当に素敵な写真&エッセイ集なのだが、書店では園芸のコーナーに置かれているので、実用書に紛れて気づかない人も多いそうだ。でも、バラの好きな人にならきっと共感してもらえるのではないかな、と思う。私も大好きな本だ。というわけで、またまた目一杯上京時にバレエ鑑賞以外の時間を有効活用したのであった。(別の友人曰く「欲張りプラン」)(笑)

晴れたらバラ日和